ノルウイルスに感染しない血液型があります。ABO式血液型とは異なる形式の血液型と関係しています。唾液でABO式血液型を判定できない人は感染しません。今回は以下で分かりやすく、その仕組みをご説明しましょう。


ノロウイルス(悪の戦士)と腸細胞(城)の攻防

消化管の分泌型IgA
消化管のウイルスにはIgAでミサイル攻撃。新顔は狙えません。
ウイルスは遺伝情報(DNAまたはRNA)が甲冑(蛋白質・糖蛋白・酵素)を纏った戦士です。腸細胞は、城壁(リン脂質二重膜)、掘(粘液)に囲まれた城で
す。堀には、跳ね上がり式の橋が城門に続いています。橋・城門は、感染の足場・受容体に相当し、突入経路(侵入経路)となります。橋・城門はヒトの遺伝因子(遺伝子・表現型)が関係しています。

城からの防御の攻撃には矢(飛び道具)としてインターフェロンなどのサイトカインがあります。また、以前に感染した場合は、免疫系が産生した飛び道具の抗体も武器となります。

抗体は一種の誘導ミサイルですが、新顔の戦士を攻撃できません。血中の抗体を調べると以前に感染したかどうかを調べる手段となります。

消化管感染の場合だと、騎兵隊に相当する貪食細胞が、血液や間質と違って消化管細胞(城)を巡る戦闘には直接参加できません。消化管細胞(城)越えて、粘膜下に侵襲すると戦闘に参加します。粘膜下には貪食細胞以外にミサイル(抗体)を作るリンパ球も控えています。

ノロウイルスは降りた状態の跳ね上がり式の橋を渡って城門から城(腸細胞)へ突入(侵入)します。


ノロウイルス感染成立と血液型の関係を調べる方法

ノロウイルスの場合、食べ物や指に付着したウイルスが口から入れば感染成立に必要なウイルス数が少ないので発病する可能性が高いです。同じ物を食べて発病したりしなかったりする事が経験的に知られていますが、これは遺伝因子が感染成立(発病)に関係する可能性があります。ノロウイルスが突入する際の、跳ね上がり式の橋と城門は限定されている可能性を示唆しています。

ボランティアにノロウイルスを飲んでもらって、感染成立(発病)の有無と血液型に関係する遺伝因子(遺伝子・遺伝型)、血液型(表現型)を調べる方法があります。使用するウイルス以外については推定できません。

ノロウイルスに対する抗体と血液型に関係する遺伝因子(遺伝子・遺伝型)、血液型(表現型)を調べる方法があります。不特定多数のノロウイルスについての傾向を分析できます。ただし抗体なので発症したかどうかは不明です。

>>次ページでは、血液型とノロウイルスの感染成立について解説します。>>