ノロウイルス・ロタウイルスの症状・感染経路についてはこちらのページをご覧ください。

ノロウイルス・ロタウイルスの検査・予防・治療法

<目次>
■ノロウイルス ■ロタウイルス

ノロウイルス感染症の検査

感染予防にはやはり、なんといっても手洗いが大切。

感染予防にはやはり、なんといっても手洗いが大切。

下痢や嘔吐の症状があっても、ノロウイルスによる病気かどうか、症状からだけでは特定できません。

通常、患者の糞便や吐物を用いて検査を行います。ウイルスというのはとても小さいものなので、通常の顕微鏡では見ることができません。より細かい粒子を見ることが出来る電子顕微鏡を用いて調べたり、ウイルスの遺伝子を増幅して間接的にウイルスを検出する方法を使ったりします。

酵素を用いて、簡便にウイルスと反応させることによって検出を行うスクリーニング検査もありますが、これは少量のウイルスでは検出されないこともあります。
ただし、現時点ではこのノロウイルス検出方法はいずれも保険で認められておりませんので、外来で検査をするとなると簡単な検査で数千円、精密検査だと1万円~2万円ほど費用がかかります。

医師の立場から見ると、あとで述べるように原因がはっきりしたとしても治療法が変わるわけではないので、一般の内科の外来で診断確定のために検査をすることはまずありません

しかし、少量のウイルスでも感染の原因となることと、高齢者や乳幼児では重症になることもあるため、病院・老人施設・給食関連施設等では、ノロウイルスは職場管理上問題となってきます。職種によっては、「ノロウイルス感染症の可能性がないもしくは可能性が低いこと」を確定する必要があります。そういったときには、これらの検査をする意味があるのです。

ノロウイルス感染症の治療法

現在、ノロウイルス自体を駆除できる抗ウイルス剤はありません。このため、通常は起きている症状を和らげる対症療法が行われます。

特に、体力の弱い乳幼児・高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行わなければいけません。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。

下痢、嘔吐により塩分やカリウムなどの電解質が失われるため、自宅での水分補給は水やお茶よりもスポーツドリンクなどをお勧めします。一度にごくごくと飲むと、再び嘔吐してしまうこともありますので、ちょっとずつちょっとずつ繰り返し水分補給をします。

日本では下痢止め薬は、ウイルスを体内にとどめることになり、結果として病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいと言われています。ただ、実際の外来では、1日10回も20回もトイレに行って下痢をしているような状態の場合、症状を和らげるために下痢止めを使うことはしばしばあります。

ノロウイルス感染症の予防方法

感染経路を考えると、手洗い、調理器具の衛生管理が重要です

■手洗いの方法
手洗いは、調理を行う前、飲食業を行っている場合は食事を提供する前、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後など、手袋をして直接触れないようにしていても必ず行いましょう。

石けんを十分泡立て、手の指の間、爪の間、手首などまでしっかり洗うことが大切です。石けん自体にはノロウイルスを直接死滅する効果はありませんが、通常の水洗いでは落としにくい手の脂等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

※上手な手洗い方法は「なぜトイレの後に手を洗わなければいけないのか?」を参照

■食品・調理器具の衛生管理方法
ノロウイルスの活動性を無くすための温度と時間については、現時点で正確な数値はありませんが、同じようなウイルスから推定すると、食品の中心温度85度以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされています。そのため、特に子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが予防として有効です。

■集団感染を防ぐためには
家庭内や集団で生活している施設においてノロウィルスが発生した場合、集団感染を防ぐためには、ノロウイルスに感染した人の糞便や吐物からの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛沫感染を予防する必要があります。ノロウイルス感染による嘔吐、下痢では、嘔吐物、糞便ともに大量にウイルスが存在しているので、その取り扱いには十分注意が必要になります。無造作に手で触ったりすることのないようにしてください。

また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐物や糞便は乾燥しないうちに、床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。殺菌には熱湯あるいは家庭用に販売されている液体の塩素系漂白剤、殺菌剤を使用します。アルコールや逆性石鹸にはあまり殺菌効果はありません。

※消毒液のつくり方は「ノロウイルス撃退! 消毒液の作り方」を参照

汚れてしまった洋服、ふとん等は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理する必要があります。

まず使い捨てのマスクと手袋を着用し、便や嘔吐物はペーパータオル等で取り除き、ビニール袋に入れます。残った糞便や嘔吐物の上にペーパータオルをかぶせ、その上から50倍~100倍に薄めた市販の塩素系漂白剤を十分浸るように注ぎ、汚染場所を広げないようにペーパータオルでよく拭きます。そうした後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。下洗いした洋服類の消毒は85度・1分間以上の熱水洗濯が適していますが、家庭であれば普通に洗濯をした後、乾燥機にかける、スチームアイロンを使用するなどの手段も有効です。

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