ますます寒くなるこれからの季節、注意したいのが肺炎。でも困ったことに、お年寄りの場合はなかなか発見しにくいのです。ちょっと風邪気味みたいだけど、平熱だし・・・と思っていたら、じつは「肺炎だった」というケースも多々あります。いったいどうして、こんなことが起こるのでしょうか?
まず、発熱の仕組みを追ってみることにしましょう。ウイルスなどが体内に入り込むと、白血球からは「サイトカイン」という発熱物質が分泌されます。これが脳内の視床下部にある、体温を調節する中枢に作用。発熱を起こします。体温が上昇すると、ウイルスの増殖スピードは鈍化。白血球も活性化します。
ところがお年寄りの場合、このサイトカインの分泌に異常が起こっている場合があるのです。そのため、体温も上がらず、ウイルスは暴れっぱなし――という困った状態に陥りがち。平熱にもかかわらず、じつはひそかに肺炎症状が進行しているかもしれません!体温チェックだけで安心してはいられないのです。
さらに、痴呆が進んでいる場合など、本人の自覚がないケースがあります。また、たとえ自覚していても、それをうまく周囲に伝えられない・・・ということも。
次のページでは、お年寄りの肺炎の症状や予防法などについてまとめてみました。