肺・気道の病気/間質性肺炎・マイコプラズマ肺炎・SARS

お年寄りの心と身体シリーズ 平熱でも要注意!お年寄りの肺炎

これからの季節、注意したいのが肺炎。とくにお年寄りの場合、なんと平熱なのに肺炎にかかっていることが!歯磨きやお昼寝時間の管理など、意外な予防法もご紹介します。

執筆者:西川 敦子



ますます寒くなるこれからの季節、注意したいのが肺炎。でも困ったことに、お年寄りの場合はなかなか発見しにくいのです。ちょっと風邪気味みたいだけど、平熱だし・・・と思っていたら、じつは「肺炎だった」というケースも多々あります。いったいどうして、こんなことが起こるのでしょうか?





まず、発熱の仕組みを追ってみることにしましょう。ウイルスなどが体内に入り込むと、白血球からは「サイトカイン」という発熱物質が分泌されます。これが脳内の視床下部にある、体温を調節する中枢に作用。発熱を起こします。体温が上昇すると、ウイルスの増殖スピードは鈍化。白血球も活性化します。

ところがお年寄りの場合、このサイトカインの分泌に異常が起こっている場合があるのです。そのため、体温も上がらず、ウイルスは暴れっぱなし――という困った状態に陥りがち。平熱にもかかわらず、じつはひそかに肺炎症状が進行しているかもしれません!体温チェックだけで安心してはいられないのです。



さらに、痴呆が進んでいる場合など、本人の自覚がないケースがあります。また、たとえ自覚していても、それをうまく周囲に伝えられない・・・ということも。

次のページでは、お年寄りの肺炎の症状や予防法などについてまとめてみました。
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