呼吸不全で死亡するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は肺の構造が壊れて、息を吐く事が困難になるため、最終的には呼吸不全で死亡します。診断には呼吸機能検査が必要です。肺をゴム風船に例えて、肺の構造の壊れ方を説明します。何回も膨らませた風船のように肺が縮まなくなってしまうのは『肺気腫』。風船の空気の抜ける部分が狭くなって、空気がなかなか抜けなくなってしまうのが『慢性気管支炎』です。肺気腫も慢性気管支炎も慢性の咳や痰を伴います。
大部分の患者さんは両方の病気にかかっていて、息が速く吐けず、また吐いた後で息を吸うことが困難です。そのために普段は平気でも、階段を上がったり信号で走ったりと体を動かした時に、呼吸困難になってしまうのが特徴です。
COPDは進行すると慢性の呼吸不全となります。在宅酸素療法を行っている人の多くはCOPDの方です。酸素ボンベなしでは生活が困難となります。COPDは最終的には呼吸不全で死亡してしまう病気です。
COPDの診断法は呼吸機能検査
WHO(世界保健機構)の統計では、COPDは死亡順位の第4位になっています。日本の厚生労働省の2000年の統計では、COPDは死亡順位の第10位となっています。この差は、日本ではCOPDでも正しい診断がされていないために、隠れCOPDが多いためです。COPDの診断には、どれぐらいの割合の空気が吐き出す事ができるかを調べる呼吸機能検査が必要です。ある疫学調査では、40才以上に限れば1/12、約500万人の患者がいるという報告もあります。
COPDの予防法は禁煙のみ
COPDの患者は男性の喫煙率が高いので、男性の方が多くて男女差があります。最近、男性の喫煙率が低下するのに対して若い女性の喫煙者が増えています。そのために将来的には女性のCOPDが増加します。COPDを予防するためには、禁煙が一番です。現在喫煙している人でも、できるだけ早く禁煙すれば、COPDになる可能性を減らす事ができます。