虫歯/虫歯の予防法

シーラントは大人にも効果的?歯の溝を埋めて虫歯予防

【歯科医が解説】子どもの虫歯予防に効果的とされているシーラント。シーラントとは歯の溝をあらかじめ樹脂で埋める虫歯予防法です。シーラントは大人の永久歯の虫歯予防にも効果があるのか、解説します。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

シーラントとは? 歯の溝を埋める虫歯予防法

シーラントは大人にも効果的?

虫歯になりやすい奥歯の溝に沿って、樹脂を流し込むのがシーラント(図の白い部分)

奥歯の表面にある溝は、歯磨きをしてもなかなか溝の内部まで汚れを取ることができないため、特に虫歯になりやすいポイントです。 シーラントとは、溝の汚れを綺麗に取り除いた後で、虫歯になっていない溝をプラークが入り込まないように、専用の樹脂で先に埋めてしまうことによって、虫歯を予防することです。

虫歯になる前に溝を埋めることに抵抗があるかもしれませんが、専用の樹脂は虫歯の治療で使われる詰めものよりもソフトで、歯も削りません。例えるなら溝の部分をコーティングするイメージです。

子どもの頃に歯科でシーラントを行なった経験のある方はけっこういらっしゃるかもしれません。このシーラントは大人の虫歯予防にも有効なのでしょうか?

<目次>  

シーラントは大人の永久歯の虫歯予防にも効果的か

虫歯予防として最も有効なのは、乳歯や、生えたての永久歯なのですが、実は大人の永久歯にも効果を発揮します。

■歯の溝は歯ブラシの毛先より細い
歯の溝が歯ブラシの毛先よりも細いことがあります。溝の奥に溜まったプラークを歯ブラシで取れないので、虫歯になりやすいのです。

■大人でも歯の溝は虫歯が多い
最近、奥歯の溝の部分の虫歯を治療したことはありませんか? 奥歯の溝は何歳になっても、虫歯になるリスクは高めです。

■簡単、しかも効果的
シーラントは、多くの病院で扱っていて、歯も削らずに埋めるだけなので、比較的簡単に行なうことができます。しかも溝に対しては、とても効果があります。  
 

大人のシーラントの注意点・保険適用の可否

シーラントは、奥歯の虫歯予防に特に効果的ですが、完全に虫歯が防げるというわけではありません。

■歯と歯の間の虫歯には効果がない
シーラントは主に奥歯の溝の部分に使われるため、歯と歯の間にできる虫歯にはまったく効果がありません。

■治療済みの歯には使えません
虫歯の治療がすでに行なわれている場合には、シーラントは必要ありません。

■健康保険は適用されません
シーラントはあくまで治療ではなく「予防」です。一部の場合を除き自費で行なうこととなります。

大人のシーラントは、それほど一般的ではありません。大人の場合、歯が磨り減って溝が浅くなれば、シーラントも必要ないケースが出てきます。それでも20~30代であれば、まだまだ虫歯予防効果が期待できるので、かかりつけの病院などで相談してみるのも良いでしょう。

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