虫歯予防に効果的な歯へのフッ素塗布方法

虫歯予防に歯磨きをする子供

子どもの虫歯予防にも使われるフッ素塗布。酸に強い硬いエナメル質を作り、虫歯の進行を遅らせることができます


■フッ素配合歯磨き粉
これまで歯磨き粉のフッ化物イオン濃度は国の基準で1,000ppm以下と決められていました。(歯磨き粉1グラムにフッ素1mg以下)。しかし平成29年3月に国の新しい基準として、フッ化物イオン濃度 が約1.5倍の1,500ppm を上限とするフッ化物配合歯磨き粉が承認となりました。この500ppmの増加によって約6%の虫歯予防効果が高まるとの報告もあります。

新しい1,000~1,500ppmの歯磨き粉は、6歳未満の子どもには使用を控えることになっているため、「高濃度フッ化物配合薬用歯みがき粉」と表示された成人用です。概ね15歳程度までは、従来のタイプの1,000ppmのフッ素配合歯磨き粉を利用する方が無難です。

■フッ素洗口液
濃度は、週1回法と週5回法の2種類があります。幼稚園や保育園、小学校などで集団的な虫歯予防として使用されているケースがあります。この場合、週1回法では、フッ化物濃度900ppm。週5回法では、フッ化物濃度250ppmとなります。

どちらも1回約5mlほどを口に入れて、飲み込まないようにしながら30~60秒歯によく触れるようにします。その後全ての洗口液を吐き出します。

■フッ素歯面塗布
濃度は、フッ素濃度で9000ppm(薬液1mlにフッ素9mg)。フッ素配合の歯磨き粉のおよそ6~9倍の濃度となっています。このため、歯科医師や歯科衛生士が歯に直接塗布します。綿球で塗り付けたり、トレーに薬液を満たしてそれを歯にかぶせることもあります。

歯科医院もしくは、集団検診などで塗布されます。1回の塗布時間は約4分程度。APF(酸性フッ素リン酸溶液)の場合は、年に1~2回、2%フッ化ナトリウム溶液の場合は、年に4回の塗布が基本となります。
 

フッ素の毒性・危険性・急性フッ素中毒とは

フッ素は大量に摂取しすぎると急性フッ素中毒を起こします。しかし、歯に塗布するフッ素とは量が全く異なります。「フッ素洗口液とフッ素配合歯磨き粉を同時に使ってしまった……」と心配される方もいるようですが、同時にこれらを使ったとしても、この基準値には満たないため、心配はないとされています。
 

虫歯予防に利用するフッ素の種類・特徴

虫歯予防のため塗布されるフッ素の代表的なものの使用方法は次のようなものになります。

■フッ化ナトリウム
歯磨き粉、洗口剤、歯面塗布などに用いられています。

■フッ化リン酸ナトリウム
主に歯磨き粉などに含まれています。

■フッ化第一スズ
歯面塗布や歯磨き粉、ジェルなどに用いられます。フッ素効果のほかにスズイオンが、口に中の細菌を殺菌する効果が期待できます。使い続けるとまれに、歯の表面に着色が起こることがありますが表面的なものです。

■フッ化ジアミン銀
虫歯の治療ができない、小さい子どもの虫歯の進行抑制剤に使用されます。硝酸銀が虫歯と反応して、虫歯の進行を抑制します。反応した部分は色が黒くなります。

■酸性フッ化リン酸溶液
主に歯面塗布に使われます。
 

乳幼児・子どもへのフッ素塗布……歯の生え始めや生え変わり時は、フッ素使用が効果的

乳歯が生えてくる時期や永久歯の生え替わりの時期などは、歯がまだ柔らかい状態です。フッ素が最も効果的なのがこの時期。未熟で酸に弱いエナメル質を酸に強い硬いエナメル質に変化させてくれます。

ただしフッ素の虫歯抑制率は多くて50%程度です。フッ素の効果だけを過信することがないように、歯磨きもしっかり行なうことが大切です。

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