神経を抜いた歯がうずく、痛くなってくることがあるのはなぜ?
神経を抜いてから数年後に、歯が痛くなってくることも……
今回は神経を取った歯が再び痛くなる原因と対処法について解説します。
神経を抜いた歯がうずく、痛くなるときの特徴的な症状
神経を取った歯が痛くなる場合の典型的な特徴をいくつか紹介します。■咬むと痛い
食べ物を咬んだときなどにだんだんと痛みを感じるようになってきます。
■水はしみない
どんなに冷たい水を飲んでも、虫歯でしみるようにズキズキと痛むことはありません。
■歯の根と付近におできの様な出来物がある
慢性化するとおできの様なふくらみができて、周りを押すと膿が出てくることがあります。
■歯が重く感じる
なんとなく指で根元付近の歯を押してみたくなるような違和感があり、歯が重く感じることもあります。
一番多い初期症状は「咬むと少し痛い」です。ひどくなると咬まなくても痛みが出てきます。神経を取ってから痛みが出るまでの時間は、長いときには10年以上かかることもあります。
神経を抜いた歯が痛み始める原因・考えられるトラブル
上記のような症状があり、咬み合わせや歯周病などの問題がない場合、概ね次のような原因が考えられます。■神経が残っている場合
神経を取る治療をしても、僅かに歯の中に神経と虫歯菌が残ってしまうことがあります。この場合、翌日~1年程度と比較的早い段階で痛みが出始めることが多いです。
■神経を取った後の詰め物に隙間があった場合
神経を取った後に詰めた物に隙間があると、少しずつ時間をかけて細菌が繁殖して、骨の中に膿を持った空間ができることがあります。1~10年と比較的長期間かけて膿がたまるため、忘れたころに痛みが出始め、神経を取ったこととの関連が思い出しにくく、症状が分かりにくいのが特徴です。
■歯の根が縦にひび割れた場合
歯の根の部分が縦に裂けたように割れた場合には、その割れ目を伝わって細菌が口の中から歯の根の内部に入り込み、突然痛みが出ることがあります。
神経を取った歯というのは、治療した後に上記の理由で、根の先に膿がたまるリスクがどんな歯にも少なからずあります。このため神経を取らないで済むように小さい虫歯のうちに治療することがとても大切なのです。
神経を抜いた歯が痛む場合の治療法・対処法
治療は汚れてしまった根の中をきれいにすることを中心に行なわれます。治療の手順は概ね次の通りです。1. 痛む歯の被せ物や詰めものを取り除く
神経の大部分はすでに取ってあるので麻酔は必要ありません。
2. 神経があった元の空洞をきれいに掃除する
針のような細い道具を歯の中で動かして汚れを削り落とします。2~10回程度治療回数がかかります。しかし、すでに根が縦に裂けるように割れてしまっていたときには、歯を抜くことになります。
3. 新しく根の中に詰めものを入れる
隙間がないようにしっかりと歯の中の空洞を詰めます。
4. 被せ物や詰めもので元の歯の形を取り戻します
神経を取ってある歯は脆いので、被せることがあります。
また、「咬むと痛い」といった症状は様々な原因で起こります。正確な診断にはレントゲン検査などが必要になります。情報だけで自己診断せず、かかりつけの歯医者さんなどで正しい検査を受けた上で、診断・治療をお願いしましょう。
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