ホントにそれで死因がわかったら『現代科学の功績!』というところで楽しみですが・・・
ところでCTってなんだか知ってらっしゃいますか?病院で、『じゃあ、詳しく検査するためにCTとりましょうね~』とか『じゃあ、MRIってとってみますか?』なんていわれたことがある方もいらっしゃると思いますが『そもそもCTってなに?』『MRIと何が違うの?』なんてご質問を良くいただきます。
今回は『知っておきたい医療のマメ知識』CT、MRIに関しての簡単なお話です。
ツタンカーメンもびっくり!CTの威力
CTってなあに? |
大体の検査の流れをご説明しますね。自分は寝ている状態で寝台が動き、大きな穴を通ります(右のイラストをご覧下さい)。その大きな穴を通り抜ける間に、色々な方向からX線が出てきます。そして、そのX線が体を通り抜けた結果をコンピューターで解析すると、体の輪切りの画像ができるのです。まあ、『エックス線をつかって体を金太郎飴のように輪切りにする検査』といったところですね。
体の構造をもっと良く見るために造影剤(大抵はヨードという化合物)を使うこともあります。
さらに、最近は3DCTといって、普通のCT画像を、さらにコンピュータで再合成して、3次元構造もわかるようにしたCTも開発されています。
CTと被爆量との関係
余談ですが『レントゲンをたくさんとっても被爆量はだいじょうぶなの?』とよくきかれます。結論から言うと、もちろん不必要な検査はしないほうが良いことは間違いないです。ただし、人間は普通に生活するだけでも『自然放射線』という放射線をあびているんですね。この量は地域によっても変わります。だいたい1年間で2.4mSv(←放射線の単位 ガイド注)くらいといわれています。
また飛行機に乗って旅行するだけでも被爆量は増えます。たとえば日本からアメリカに旅行に行って帰ってくると、胸のレントゲン写真を1枚取るよりも放射線を受けるという話もあるほどです。
本題に戻りますが、CTは非常に精度が良く、体の色々な状態が良くわかります。ただ、前述のような仕組みなので、レントゲンよりも被爆量は多くなります。一例をあげると、頭部レントゲンでは5mGy、頭部CTは機械にもよりますが大体50mGyといったところ。ケタが違いますね。(*1より引用 mGy←コレも放射線の単位です ガイド注)
最近は高性能化して被爆量自体も減ってきていますし、必要ならもちろん受けて下さいね!
MRIってなあに?
MRIは磁気で調べます! |
検査としては、仰向けになってトンネルのような筒の中に入ります。その時間、約30分間。そしてその間中、『カーンカーン』という音がしています。
この間に何が起こっているかを簡単にご説明しますと、体を磁場の中に入れて電磁波を加えます。そして跳ね返ってくる情報をコンピューターで解析しているのですね。できがった画像は、主に柔らかいものなどが良く見えます。ちなみにこの検査は、レントゲンを使っていないので被爆量はありません。
余談ですが、大きな磁石のなかにはいるのでMRI室に間違えてカードなんかを持って入ると全部記録が消えてしまいます。また、MRIが取れない方もいらっしゃいます。閉所恐怖症の方(30分くらい狭い筒のなかでじっとしているので)や、体の中に金属やペースメーカーが入っている方は原則、MRIは取れません。
ちなみにガイドもMRI検査を受けたことがあります。かなり圧迫感のある狭い空間で、繰り返しカーンカーンという音がしている状態は、あまり気分のいいものではありませんでしたが・・・。
CTを選ぶか、MRIを選ぶかは、そのとき体の中の何を見たいかによって違います。両方行う時もありますので、そのときはお医者さんにご相談をして下さいね。
参考文献 *1 標準放射線学 第6版(医学書院)
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