なぜかというと、ガイドは実は腰痛もち。高さの合わない椅子に15分くらい座っていると、足がしびれてきたりもします。でも、自分で検査をしてもあまりはっきりした異常はありません…(自分で診断して結果が分かってしまうところが、なんとも悲しいところです)。
そのガイドが、いろいろ試してみた結果、意外と症状が楽になるのが『タイ古式マッサージ』でした。詳細は後で説明しますが、このマッサージは一見アクロバティックな『ひねるストレッチ』が多くあります。でも不思議なほど痛みが悪化しないのです。
整形外科医として診察をしていると、腰痛や肩こりの患者の方から必ずといっていいほど、『マッサージや指圧って体に良いのでしょうか?』と聞かれます。そんな時は、だいたい『血流改善効果がありそうですし、筋肉の緊張もほぐれそうですから悪くないと思いますよ』と答えていました。
でも『マッサージってどうしてこんなに色々な種類があるのかな?しかもどういう手順(理論といってもいいですが)で行っているのかなあ?』という疑問は常に持っていました。
そこで、ガイドは実際にタイに行って本場のマッサージを勉強してくることにしました。今回はその内容について特集いたします。(ちなみにガイドが今回勉強したのは、一番基本的なコースです。ですから、『マッサージ道はそんなものじゃない!』とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、そのつもりでご容赦を)
タイ式古風マッサージってどんなもの?
『セン』という体のラインにそってする指圧とストレッチが基本! |
その考えを簡単にご説明しますと、体の中にいくつかの重要な『セン』というエネルギーのラインがあって、指圧をその『セン』にそって行います(右図参照)。
ガイドが思うに、体の中にいくつかのエネルギーの流れがあって、それにそって指圧を行うという発想は、タイマッサージによらず、世界各国のいろいろなマッサージにあると思うのですが、おそらく、これは、一番(たとえば腰痛など)体の症状が改善する指圧方法を経験的に残したものなのでしょうね。
実際タイ古式マッサージも1991年にワットポーという、タイマッサージの総本山のお寺で、18人の講師の人がああでもない、こうでもないと議論して一つのやり方に統一したようです。
興味深いのは、この『セン』が血管の走行やリンパの流れに比較的沿っていることです(もちろん完全に一致ではないのですが)。また実際勉強してみて思ったのですが、『セン』は筋肉と筋肉の間、骨と筋肉の間などに存在することが多いことです。
確かに体をほぐしたり血流を改善したりするために効率的な部分を選んでいるようにもとれます(そうと分かって残しているのかどうかは疑問ですが)。
そう考えると、伝統の技術ってすごいですよね。ちょっと感動です。
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