■契約時に支払う「手付金」
申込みの後、不動産会社から重要事項の説明を受けると、いよいよ売買契約。この売買契約を交わす時、契約の相手方へ支払うお金が「手付金」です。
「売主が宅地建物取引業者(以下、業者)で買主が業者でない場合は、手付金の上限は物件価格の20%」
という決まりがありますが、これはあくまでも上限。未完成物件で5%、完成物件や中古物件では10%超える手付金を受け取る際には保全措置が必要となるため、実際のところは5%~10%程度というのが多いようです。販売会社によって対応が異なりますので、買いたい意思と支払える手持ち金の額を率直に示して相談すると無理を聞いてくれるかもしれません。
なおこの手付金は、マンションの残金支払い時の売買代金に充当されます。例えば3000万円のマンションを契約して、10%の300万円を手付金として支払えば、後は残りの2700万円を支払えばよいこととなります。先の申込証拠金も、頭金に充当するとの約束であれば、頭金300万円と申込証拠金10万円をひいた残りの2690万円を残金決済すれば良いこととなります。
■注意したい、契約成立後のキャンセル
注意したいのは、手付金を支払った後のキャンセル。手付金は、不動産に関わるトラブルの筆頭に上げられます。
契約後、転勤の辞令が下り泣く泣く売買契約をキャンセルする、結婚が決まって彼のマンションで暮らすことになったなど、自己都合による解約の場合は手付金は返還されません。
契約は有効に成立しているわけですし、売主側がマンションを引渡すために諸手続きを進めているなかでのキャンセルですから、支払った手付金は放棄、「お願いですからキャンセルさせて下さい」となるのです。
安易な契約は手付金の放棄など多額の出費を伴うこともあります。売買契約は慎重に、充分検討して臨みましょう。
ただ自己都合によるキャンセルの中には、「住宅ローンを借りるための審査に通らず資金繰りが立たなくなった」というケースもあります。この場合は、考慮してもらえることが多いようです。
これは「ローン特約」と言ってローンの審査が通らなかったためとの理由によるキャンセルに限って、契約を白紙に戻し手付金を返金するという特約を結ぶことができます。この特約があるとひとまずの安心は確保できますね。
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