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賢い資金計画、親からの住宅資金贈与の正しい受け方 シングルも使える!住宅税制[2]

複雑な住宅税制、親からの住宅資金援助の特例に絞ってポイントを解説。援助金を住宅ローンの頭金に回す事ができれば、どれほど助かることか。貰えるものなら貰っちゃおう!

大石 泉

執筆者:大石 泉

シングルのマンション購入ガイド

前回ご紹介しました『シングルも使える!住宅税制[1]』 では、「住宅ローン控除」制度のシングル的チェックポイントについてお話しいたしましたが、今回のシリーズ[2]では、親から住宅資金の贈与を受けた場合の特例措置について、みていきましょう。

何はともあれ、援助は助かります。税制の特例をしっかりと勉強し、ご両親から資金援助を引き出す作戦のプランニングにも、ぜひ役立ててくださいね。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



■あれば助かる、親からの援助

「親子といえどもお金の話はちょっと…」「親からの援助は、できれば受けたくない」という方も多いことと思います。でも“マンションを買う”には多額のお金が必要です。この機会に打診してみてはいかがでしょうか。親御さんも、マンションを買うのなら援助したい、と思っておられるかもしれませんよ。50万、100万、と少しでもまとまったお金を頭金に加えることができれば、その分ローンの借入額も少なくなり、大助かりです。300万円の援助分を頭金に入れ、住宅ローンの借入額を300万円減額できれば、毎月返済額をおよそ1万円前後も減らすことが可能です。

さて、援助の受け方ですが、親からとはいえ『お金をもらう』ということは、『贈与』となり、贈与税の課税の対象となります。贈与税は税金の中でも抜群に税率が高く設定されています。が、住宅取得資金等の贈与の特例の要件にあてはまれば、550万円までは贈与税はかかりません。


■住宅取得資金等の贈与の特例

【概要】
この特例は、本人の父母や祖父母から住宅の取得にあたって資金援助を受けた場合に、一定の要件を満たせば、1,500万円までの部分について贈与税額の軽減を受けられる制度です。この特例を受けると、550万円までは贈与税は非課税となります。

いかがでしょうか。この特例を受けるのと受けないのとでは、以下のような税額の差がでます。

【贈与額】 【特例利用の税額】 【通常の税額】 【差額】
550万円    0円        67万円
     67万円
1,500万円   95万円     470万円     375万円   

この特例を受けるためには、贈与を受けた年の翌年に確定申告をする必要があります。他の要件について主なものを見ていきましょう。


■住宅取得資金等の贈与の特例を受けるための“シングル的”チェックポイント

【1】贈与を行なう人は限定される!
   本人の父母または祖父母

【2】贈与資金の全額をマンション購入のために充てること!
   多めにもらって、家具を買ったりしちゃうとその分は、特例の対象から外れます。

【3】購入するマンションは、狭すぎるとダメ!
   専有面積は50平米以上(登記簿面積)

【4】古すぎるマンションは注意!
   築25年以内(耐火建築物の場合)

【5】贈与を受けたら、すぐ購入!
   原則として、贈与を受けた年の翌年3月15日までに
   購入し、入居しなければなりません。


他にも所得金額の要件や、過去にこの特例を受けたことがないこと、などいろいろな規定がありますので、実際に適用を受ける場面では再度ご確認くださいね。
(注)住宅取得資金等の贈与の特例の適用期間:平成17年12月31日まで

シングル的に見れば、前回の記事『シングルも使える!住宅税制[1]』でご紹介した、住宅ローン控除の特例の場合と同様、マンションの面積が狭すぎないよう、要チェックです。

それともうひとつ注意したいのが、贈与を受けるタイミング。

マンションに入居した後や、ローンの支払開始後等に贈与を受けた場合は、特例を受けられません。“順番に注意”です。
正しい順番は、
「資金の贈与を受ける」⇒「その資金でマンションを購入する」

これが逆転すると
「マンションを購入する」⇒「資金の贈与を受ける」
⇒「その資金で住宅ローンの一部を返済する」
となり、
“マンション購入のための資金援助”ではなく、“ローン返済のための資金援助”と解釈され、特例の対象外となってしまいます。ややこしいですね。

さて、親からの住宅取得資金の贈与に関しては、もうひとつ特例があります。
次ページにてご紹介します。
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