あなたの生涯収入はいくらですか
意外に多い?意外に少ない?あなたの生涯年収。 |
■生涯収入=年収×勤労収入を得る期間(定年の年齢-現在の年齢)+その他の収入
(例)400万円×(60歳-25歳)+100万円=1億4,100万円
あなたの数字にあてはめて計算してください。上記は勤労収入を主として考えています。一生涯の収入には、勤労収入以外にも年金収入等がありますが、公的年金はすべて老後の生活費に充当すると考えて、今回は年金収入を除いて考えることとします。
計算に使う「年収」の金額ですが、生涯の自分の年収がどうなるかを予想するのは大変難しいことですね。見当がつかなければ、現在の年収が定年時まで続くと仮定し、現在の年収額で計算してください。次に「勤労収入を得る期間」ですが、ご自身でお仕事をされている場合は、リタイアするまでの仕事を続ける期間、ということとなります。また、「その他の収入」は、他にサイドビジネスの収入がある、5年後に定期預金が満期になる、など予測可能な範囲での主たる収入以外の収入を加えてください。さて、いくらになりましたか。
住居費の総額は?
あなたの生涯収入が計算できたところで、その生涯収入に対し住居費がどれくらいのシェアを持つのかをみていきましょう。それにはまず、生涯の住居費を計算します。生涯収入と計算期間をそろえるために、定年またはリタイアまでの期間を計算対象期間とします。
では、前のページの例で、ローン返済期間である35年間の総支払額がいくらになるかを計算してみましょう。また、マンションの場合、毎月支払うのは住宅ローンだけではありません。管理費や修繕積立金等のお金が上乗せされます。仮に3万円だとして、35年間の総支払額を計算してみましょう。実際には、途中で増額となるケースもありますのでご注意ください。
■住宅ローンの総支払額=毎月返済額×12ヶ月×返済期間
(例)10万1,960円×12ヶ月×35年=4,282万3,200円
■管理費等の(勤労期間における)総支払額=管理費等×12ヶ月×定年までの期間
(例)3万円×12ヶ月×35年間=1,260万円
■35年間の総支払額=上記の合計
(例)4,282万3,200円+1,260万円=5,542万円3,200円
さて、約5,550万円という数字が試算できました。これ以外にも、部屋の中(専有部分)のメンテナンス費用やリフォーム費用、固定資産税等を考慮すれば、計算上はさらに約1,000万円ほどが上乗せされます。
■住居費の35年間の総額=約5,550万円+1,000万円=約6,550万円
この約6,600万円という金額は、「マンションを買って住み続ける」ことに必要なお金です。この金額をあなたの生涯収入から検証してみましょう。
生涯収入に占める住居費の割合はいくら?
生涯年収(勤労収入)に対する住居費の割合はどれくらい?のこりで35年間暮らせる? |
■住居費の総額÷生涯収入=生涯収入に占める住居費の割合
(例)6,550万円÷1億4,100万円=46.45%
あなたの場合はいかがでしたか。1億4,100万円もある!と安心していた生涯収入ですが、その半分近くが、住居費として固定されてしまうのです。
では、買わずに暮らす賃貸住宅の場合はどうでしょうか。家賃+共益費他が15万円と仮定すると、年間で180万円。35年間で6,300万円となります(生涯収入に占める住居費の割合は44.68%)。さらに賃貸住宅は、「家賃の値上がり」を気にしておきましょう。また、賃貸と購入を比較した場合の大きな違いは、購入時に組んだ住宅ローンは完済すれば終了する、ということです。それに比べて賃貸住宅は住み続ける限り、家賃を払い続けねばなりません。
住宅ローンの返済が終了した後の期間が長ければ長いほど、家賃を支払う場合との差が開きます。つまり、支払い金額の総額という面からは、年齢が若いうちに購入する方が賃貸住宅よりもお得になる可能性が高い、といえるのです。
住居費が生涯収入の半分近くを占めるということ
生涯収入の半分近くが住居費に固定されるということは、大変なことです。今回の(例)では、計算対象期間と返済期間が同じ35年間でしたが、実際には、定年以降、リタイア以降もローンの支払いが続くような返済計画は多くあります。その場合は、計算の対象期間をローン返済期間とするとよいでしょう。
いずれにせよ、住居費を除いた生涯収入の残りの半分で、生活費その他をやりくりしていかねばなりません。生涯支出については、『大きな声では言えない!? 本音のマンション購入』シリーズ(2)の記事にてお話しいたします。お楽しみに。
【新型住宅ローンに関する参照サイト】
■公的・民間の住宅ローン情報