脂質異常症予防に効果的な食生活のコツ
シリアル類も食物繊維を手軽に摂れる食品の1つ。上手に活用して脂質異常症の予防を
■LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い場合
- 卵、魚の卵などコレステロールの多い食品を制限する
- 肉の脂に多い飽和脂肪酸より、植物性脂肪や魚の脂に多い不飽和脂肪酸を多く摂る。ただし、全体量が多くならないように注意
- アルコールや甘いもの、炭水化物(お米やパン、麺類など)を減らす
- ごぼうや大根などの根菜類などをたくさん食べるなど、食物繊維を多く摂る
時に脂質異常症をよくしようと頑張るあまり、食事が偏ってしまう方を見かけますが、食事のバランスも損なわないよう注意してください。
脂質異常症予防に効果的な運動のコツ
運動療法は軽い有酸素運動が勧められます。運動は中性脂肪の1つであるトリグリセリドを減らし、善玉コレステロールであるHDLコレステロールを増やす効果があります。目安としては、以下の通りです。- 「少し息があがるくらい」の運動(早歩きや水中歩行、自転車、ラジオ体操など)
- 週に3回以上、できれば毎日
- 1日30分以上、短時間にわけて数回で合計30分以上でも可
このような食事、運動療法を頑張った効果は血液検査を受けてみないとわからないので、1~2ヶ月に1度は病院を受診して結果を確認しましょう。なかなかよい値にならない場合には薬が勧められます。
脂質異常症の薬物治療法
脂質異常症の薬は大雑把に分けると、主に中性脂肪を下げるものと、主にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げるものに分けられます。動脈硬化を進めないためにはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げることが最も大事。それぞれの患者さんの病態に応じて薬が選択されます。薬を飲んで値がよくなると、自分で薬を止めてしまう患者さんが時々いらっしゃいますが、ほぼ必ずまた悪くなってしまいます。脂質異常症の薬は続けて飲んでいくことが必要なのです。脂質異常症の治療目的
脂質異常症の治療目的は、動脈硬化が進まないようにすることです。しかし、動脈硬化を進めるのは脂質異常症だけではありません。動脈硬化を進める危険因子を、他にどのくらい持っているかによって、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の目標値が細かく決められています。危険因子としては糖尿病や高血圧、タバコなどの6項目があります。また、心筋梗塞や狭心症を起こしたことのある方は、すでに動脈硬化がある程度進んでいると考えられるので、さらに厳しい目標になります。目標値が一律ではないため、やや煩雑で誤解を招きやすいのですが、治療をしていく際には自分の目標値をきちんと知っておくことが大切です。