年齢によっても異なる貧血の目安
貧血でふらふらしたり、めまいがしたり……多くの女性が経験されたことがある症状ではないでしょうか |
ヘモグロビン濃度は性別・年齢によっても変動があります。出生直後は性別による差もなく、最も高い状態です(18g/dl)。その後は急速に低下しますが(生後6ヶ月で12~13g/dlぐらい)、思春期になると成人の基準値(男性16±2g/dl、女性14±2g/dl)に近づきます。この頃から性別によってヘモグロビン量に差が生じるようになります。これは男性ホルモンが赤血球産生を促すためです。このため、男性では20代にヘモグロビン濃度がピークとなりますが、女性の場合には思春期がピークとなり、20~30代には一時的に低下傾向となります。ホルモンのバランスの変化の生じる閉経期以降では男女差が少なくなり、80才を超える頃のヘモグロビン濃度は同じぐらいになります(男女ともに12~13g/dlぐらいです)。
このような変化がありますので「貧血」と判断するヘモグロビン濃度は、成人男性で13~14g/dl未満、成人女性で12g/dl未満ですが、体内の水分量の異なるご高齢の方や妊婦さんでは11g/dl未満が目安となっています。なお、小児では更に細かく年齢によって基準が異なります。
栄養補助食品(サプリメント)が有効な貧血の種類
貧血の治療には、特殊な治療(骨髄移植・脾臓摘出・薬物療法)と対症療法(輸血)がありますが、前者のうち栄養補助食品が有効な貧血と、それらに対する有効な栄養素は次の通りです。- 鉄欠乏性貧血……鉄
- 巨赤芽球性貧血(原因:胃全摘出術後、小腸疾患、悪性貧血など)……ビタミンB12、葉酸
- 鉄芽球性貧血の一部……ビタミンB6
次のページでは年齢によっても異なる鉄分の必要量についてご紹介します。