栗の渋皮は、血糖値を抑制する栗の渋皮や鬼皮に含まれるポリフェノールには血糖値抑制効果が認められました。栗のパワーは、果実だけではありません。実はしぶーい皮にも、役立つ成分が含まれているのです。栗の渋皮には、渋みのもとであるタンニンが多く含まれ抗酸化作用、抗菌作用があることが以前から知られていました。けれども、2005年9月末、栗の鬼皮や渋皮に含まれるポリフェノールに、血糖値抑制効果が認められたのです。カネボウフーズ(株)食品研究所では、栗の渋皮や鬼皮の中に僅かに含まれる抗酸化成分プロアントシアニジンを主体とするポリフェノールに着目し、その抽出抽出物粉末に血糖値抑制効果を確認しました。この栗皮抽出物粉末は、血糖値の上昇に関与するα-グルコシダーゼの阻害活性試験において、グァバ葉抽出物よりも阻害活性が高いことが確認され、マウスによる動物実験でも血糖値抑制効果が確認されました。カネボウフーズのプレスリリース(PDFファイル)はこちらから。ただし、栗皮の成分はほとんどが繊維質で、ポリフェノールの含有率は3~4%程度、ポリフェノールを取り出すことはたいへん難しいため、栗の鬼皮や渋皮をそのままたくさん食べても(そんな人もいないでしょうが)、糖尿病の治療に役立つわけではないので誤解のないようにしてください。もともと中国医学では、栗は樹皮や葉、皮など様々な部位が利用され、樹皮を煎じた汁や栗の皮は糖尿病に効果があることが知られています。また日本でも栗の渋皮煮というお菓子があり、渋い皮がついたままでもおいしく食べる工夫がされていますが、自然の恵みや薬効を無駄なくいただく、先人の知恵や技術には、頭がさがります。ちなみに、カネボウフーズでは、甘栗の皮から高濃度にポリフェノールを抽出・粉末化するために、甘栗菓子の生産過程で大量に発生する甘栗の皮を有効活用されているそうです。捨てればただのゴミ、でもそこからクスリになりうるお宝もあるのですね。次のページでは、栗のベーシックな知識やむき方のポイントなどをご紹介します・・・・・・・>>前のページへ123次のページへ