捻挫や肉離れは現場での早期治療が大切です
捻挫とは
普通に動く関節の可動範囲を超えて、強い力で運動を強制された場合、骨には異常がなくても、関節を包んでいる関節包やじん帯が損傷することがありま す。一時的に、関節を作る骨と骨に構造的なズレが生じたものの、すぐに元の状態に戻り、関節が正常の位置関係に戻った場合を、捻挫と呼びます。捻挫の症状
関節が腫れて痛みます。軽度から中等度の運動制限があります。じん帯が完全に切れてしまった場合には、骨が折れていなくても関節がグラグラ動くことがあります。捻挫の治療法(RICE療法)
現場でまず行う初期治療は、Rest(安静を保つ)、Ice(氷で冷やす)、Compression(圧迫する)、Elevation(高く挙げる)が基本です。この治療方法は、その頭文字を取って、「RICE(ライス)療法」と、呼ばれます。RICE療法は、現場で、できるだけ早く開始すれば、その後の治療期間を短縮させる効果があります。
Rest(安静):捻挫した部位を、まず安静にします。無理に歩いたり、スポーツを継続すると、捻挫が悪化します
Ice (氷冷):捻挫を起こした関節は、冷やすことで腫れや出血を抑え、痛みも和らげます
Compression(圧迫):外から抑えることで出血や腫れを抑えます
Elevation (高挙):捻挫した場所を心臓より高く挙げ、血液やリンパの流れを改善することで、出血してしまった血液を吸収させ、腫れを軽減します
Rice療法を行う3つのポイント
氷で冷却を行う場合、タオルを使って、皮膚に直接当たらないようにしましょう
- 皮膚を傷めることがあるので、まず捻挫した場所にタオルなどを1枚かぶせ、氷が直接皮膚に当たらないようにしましょう
- 氷はビニール袋などに入れて、捻挫した部位に押し当てます。氷袋を作る際、いっぱいの氷を入れて、しっかり袋の中の空気を抜いて口をしばると、より効果的な冷却効果が期待されます
- 受傷部位にタオル、次に氷袋を乗せ、弾性包帯でしっかり圧迫しながら巻くことができれば、後は高く挙げておくだけです
捻挫の場合、現場での早期処置はRICE療法ですが、その後の治療方針は、痛めたじん帯の状態で異なります。じん帯が切れてない場合、もしくは部分的に切れた場合には、ギプス固定、テーピングサポーター固定、シップ治療などが行われます。しかし、完全にじん帯が切れてしまった場合には、手術治療が必要です。
私のヒヤッと体験談……子供の捻挫への対処法
子供の捻挫は、安静に保ちつつ、早く冷やすことが大切です
1. 痛みの部位と損傷の確認
子供は足関節を痛がっているが、関節と足の指は自力で動かせたので、脱臼はしていないことを確認しました。
2. 血流を確認
足の動脈が触れることを指で確認しました。動脈が触れない場合は重症であり、即刻、病院へ行くべきです。
3. 冷却と安静
店内の邪魔にならない場所に子供を座らせ、私は、ショッピングモール内のスーパーへ走りました。鮮魚用の氷を2袋に詰めて現場に持ち帰り、氷袋で足関節の左右から押さえるようにしました。
4. 捻挫部位を高く挙げる
その後、子供を背負って駐車場へ行き、帰宅。その後も足の下にクッションを敷いて、足は氷で冷やしながら、安静にしました。
捻挫は、日常生活のどこでも、誰にでも起こります。今回ご紹介したRICE療法はすぐに使えますし、応用も広い治療方法です。家庭、職場、スポーツ大会など、きっとあなたのお役に立てると思います。
次のページでは、肉離れの症状・治療法について解説します。