では、なぜ分配型投信は長期投資に向かないのでしょうか?そのワケを知るには、投信の持つ課税の繰り延べ効果を学ぶ必要があります。
投信の課税繰り延べ効果
投資信託はお金を運用する器です。その器からお金が投資家に戻されるときに、利益があれば所得税が課税されます。投信の元本を売って換金する時には、その取得費を超えた金額が所得としてとらえられて、その分だけ課税されます。分配金を受け取る時には、元本が基準価額を上回る部分にのみ課税されます(普通分配金)。税率は同じ20%ですから、元本を解約して換金しても、分配金で分割で受け取っても、所得に対する税額は同じはずです。問題は、税金を払う時期です。投信の運用で利益が出ていれば、遅かれ早かれ所得税を払わなければならないわけですから、分配金に課税されていても、損得に関係ないように思えます。確かに1期ではそうですが、長期投資では異なります。毎月分配金が出て毎月税金を払っている場合と20年後に一括して税金を払う場合とでは、手元に残る将来価値がまったく違ってくるのです。