伝えたい「他の人と協力して仕事を遂行する力」
さて、公開添削です!- タイトル:
「人を頼る力」
- 本文:
あるコンテストでプレゼンをすることになった。ゼミの代表者であった私は、1人で何もかもやろうとして行き詰まった。そこで思い直し、当日の発表は人に任せ、自分は意見のまとめ役に徹した。ゼミ全体がまとまった結果、グランプリを受賞することが出来た。人を頼り、まとめる力には自信があります。
(ペンネーム:nas)
- タイトルは伝えたいことを一言で書くこと!
“「人を頼る力」”か。うーん、他人任せなイメージを持ってしまうので、ベストとは言えない。代表者なら「人に頼りにされる」人材でなくてはいけない。しかしながら、メンバーを信頼し、その力を引き出すという意味でnasさんは使っているのだと思う。よって、「メンバーを信頼し、力は発揮させ、成果を出す力」が妥当と思うけど、どうだろう。
- 抽象的な名詞は伝わらない!
“あるコンテスト”とあるが、なぜ秘密にするのだろう。凄く怪しいコンテストなのだろうか? “ゼミの代表者”とあるが、何のゼミなんだろうか? さっぱりわからない。
- 「グランプリ受賞」は凄いことなのか?
まず、何のコンテストのグランプリか分からないので問題外だけど、もしそのグランプリの正式名称が書かれていたとしても、人事はそれが凄いことなのかわからない。「全国100大学が参加する」などその凄さが分かる言葉が欲しいな。
- 「当日の発表は人に任せ、自分は意見のまとめ役に徹した」から
リーダーがすべてを背負い込み、失敗する例は自分を含めて何度も経験した。よって、nasさんの経験はとても意味がある。しかし、“当日の発表は人に任せ”というのは、書き方としていまいちかな。例えば、「当日の発表は発表者が伸び伸びとできるようにバックアップし」としてはどうか?
- 最後は志望会社の仕事に繋げなくてはいけません!
「メンバーを信頼し、力は発揮させ、成果を出す力」は、どの会社の仕事でも活用できる素晴らしいスキルだ。ここでもう一歩、志望会社の具体的業務に活かすストーリーを盛り込んで欲しい。当然、先輩訪問をして具体的業務を聞き出すのだ。特に出版社なら、新しい雑誌の企画はもちろん、単行本だって作者や装丁家、イラストレーター、販売促進、書店営業などなどたくさんの人と関わって行う仕事ばかりだろう。いくらでもスキルを具体的業務に繋げる事ができるはずだ。
※参考記事:「フィージビリティ・スタディ」
nasさんの伝えたい力は、どこの会社でも欲しがっている力だ。なぜなら、ほとんどの学生がいきなり自分ひとりで仕事に取り組み、成果を出すことを目指すからだ。会社に社員一人だけで仕事ができる環境なんて無い。必ず同僚や上司、取引先など、様々な人の協力や連携をベースに仕事をするようになっているのだ。
よって「その力を具体的に伝え、そしてその力を具体的に仕事に繋げる」ことができれば、かなり高い確率で面接を突破できると思うよ。
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これで「自己PR公開添削講座」は終わりです。まとめれば、「具体的に書く」「志望会社の仕事に繋げる」ことが大切だということ。
さて、みなさんの自己PRは、この二つのポイントを、ちゃんと押さえてありますか?
※「自己PR公開添削講座【その1】」はこちら!
※「自己PR公開添削講座【その2】」はこちら!
※「自己PR公開添削講座【その3】」はこちら!
※過去に開催した「自己PR添削講座!」はこちら!