翻訳
初めての字幕映画。
より見やすい字幕になるよう、工夫に工夫を重ねて現在の字幕ルールが。

映像翻訳と言えば、まずイメージされるのが映画の字幕スーパーではないでしょうか。
日本で初めて字幕スーパーが登場したのは、1931年に公開されたゲイリー・クーパー、マレーネ・ディートリヒ主演の映画「モロッコ」だそうです。
原作の名セリフをどう訳すか、反対に訳された日本語のセリフが名セリフとして日本の映画史に残ることもある世界。
字幕翻訳家の腕が観客の感動を左右すると言っても過言ではありません。
そんな奥の深い映像翻訳の世界を覗いてみましょう。


字幕翻訳ができるまで

映画の字幕はどのように作られるのでしょうか?そこでは言葉を訳すだけではなく、様々な専門技術が必要とされます。
  1. 試写
    字幕翻訳家の仕事は、映画を試写することから始まります。
    ここでストーリーの全体像や登場人物の関係、キャラクターを把握します。

  2. ハコ書き
    次に、原語のセリフを1枚の字幕に出す長さに区切り、区切ったセリフに通し番号をつけていきます。これをハコ書きと言います。
    見る側は、字幕が長すぎては画面に集中できなく、短すぎても疲れてしまいます。
    見る人の負担にならず、内容が理解できるような見やすい長さに区切っていきます。

  3. スポッティング
    ハコ書きされたセリフひとつひとつの長さをはかり、それをどこに入れるかを決め、リストにしていきます。このリストをスポッティングリストといいます。
    スポッティングリストは制作会社が行う場合と、翻訳者自身が行う場合とがあります。

  4. 文字数の決定、翻訳
    スポッティングが終わったら、長さに合わせて、字幕の文字数を決めていきます。
    文字数の制限は、劇場映画やDVDなど媒体によって異なりますが、基本的には1秒4文字がルールとなっています。他にも1行あたりの文字数制限などのルールがあり、このルールに従って翻訳をしていきます。また、見ている人に読みやすいように、漢字とひらがなのバランスや、ルビなどにも気を配ります。

  5. 試写、納品
    翻訳が完成したら、実際の映像と完成した翻訳を照らし合わせる試写を行います。
    ここでの直しを行い、その後制作会社がフィルムに文字をのせます。字幕がはいったものを試写し、ここでの修正を行い翻訳家の仕事は完了します。

      映像翻訳には、字幕翻訳の他に吹替版用の吹替翻訳があります。
      吹替え翻訳では、原語のセリフを日本語の台本に翻訳をしていきます。映像の中で話している長さに合わせて、日本語のセリフの長さを決めていきます。字幕翻訳とは違った独自の技術が必要とされます。