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形式は自由、だからこそ難しい 職務経歴書の書き方-事務系編

総務、人事、経理など事務スタッフは、実績を数字などでアピールすることが難しく、職務経歴書のまとめ方にもより工夫が求められてきます。

執筆者:西村 吉郎


総務や人事、経理など事務系スタッフの仕事は、技術職や営業職、専門職などに比べて数字や製品で実績をアピールできない分、キャリアをアピールするにもより一層の工夫が求められます。これらスタッフ職の職務経歴書の効果的なまとめ方を考えてみましょう。

なお、職務経歴書作成上の基本については、技術者編に紹介しています。


数字や実績にかえて経験内容の豊富さで訴える

営業事務などのサービス・スタッフ、総務部、人事部、経理部、業務部、宣伝部などのマネジメント・スタッフは、営業部や販売部、開発部、製造部などのラインの経営管理活動を効率的に行えるよう、専門的立場から援助するのが仕事です。実際の生産活動からは離れているため、仕事上の「手柄」を立てにくい部門だといわれます。

そのためか、転職に際してこれらスタッフ職の経験者は、これまでのキャリアを数字や実績で示すことができない分、アピールの仕方がわからないといった共通の悩みを持っているようです。 

しかし、スタッフ部門が抱える業務はいずれも幅広く、キャリアを積むごとに任せてもらえる業務のレベルも広がっていくものです。したがって、スタッフ職では、経験した業務が多彩であればあるほど、キャリアの豊富さをアピールすることができるわけです。

たとえば総務部は、社内の雑事一切を引き受ける部門として、新人のうちは慶弔時の手伝いや避難訓練計画の立案、運動会の企画・運営といった、地味な仕事を担当させられることが多いようですが、経験を積めば、新入社員の教育訓練や社会保険事務、法律実務、社内規定整備、マスコミ対策、株主対策、情報収集・分析といった、経営の中枢にかかわる業務を任されるようになります。

また、経理では、主として資金管理、仕入管理、売上管理、在庫管理、経営指標の作成などに業務が分かれています。企業によっては、資金調達や運用など財務も兼任することもあるでしょう。こうした業務に関連して、集計・計算事務や決算など具体的にどのレベルの業務を担当していたのかを記述していけば、キャリアの程度を十分に汲み取ってもらえるはずです。

業務ごとに経験内容をまとめる形式で

職務経歴書には、大きく分けて過去から現在まで年代を追って記述する方法と、業務分野を基準として経験内容をまとめていく方法の2つの形式があります。

どの形式がいいかは一概にはいえませんが、キャリアの幅広さを一目で理解してもらうためには、業務分野ごとにくくる形式がベターです。ただし、この場合、それぞれの業務に関わった期間が不明瞭となりますので、別途、経験年数も付記しておくと、実力をより的確にアピールできることになります。

簿記や社会保険労務士、衛生管理者、英語検定その他資格やパソコンのオペレーション能力などは重要なアピール材料となりますから、項目を立ててしっかりとPRしておきましょう。
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