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「石の上にも3年」とはいうけれど 3年待つかどうかの判断ポイント(2ページ目)

昔から、3年も我慢できないようでは根性がないといわれますが、どんなにイヤな仕事でも続けるのが分別なのか、それともさっさと見切りをつけるのが賢いのか判断は難しいところ。決断のポイントを整理しました。

執筆者:西村 吉郎

■配置転換の可能性はないか
従来、仕事に関連した能力、スキルの開発については、会社がジョブ・ローテーション計画を立てたり、専門職、目標管理などの教育訓練制度を用意して、そのプログラムに沿って開発、育成が図られてきました。しかし、いまは、会社による画一的な教育訓練は少なくなり、進路の選択や教育訓練制度の利用については、原則として本人の責任のもとに実践させようとする時代に変わってきています。

そんな流れに沿って、社内公募制や部門間トレード、本人申告による期間限定ローテーションなどといった制度の導入によって、個々の社員の選択が可能な人事異動も行われるようになっています。つまり、希望する仕事や部署に対応できるだけの能力を身に付けることで、希望通りの異動を勝ち取ることも可能になってきているわけです。

いまの職場で、希望する仕事に異動が叶えられる可能性があるのか、どうすれば異動が可能になるのかを改めてチェックしてみましょう。少しでも異動の可能性があるなら、それまでは今の仕事で辛抱しながら、必要な資格を取るなどの努力をすることをおすすめします。

■給与の伸びをチェックする
いまの仕事は給与が安い、もっといい給料が欲しいということで転職を考えている人は、今一度、自分の会社の給与の上昇率をチェックしてみましょう。

業界や職種により、若いうちは給料はそれほどでもないが、ある程度のキャリアと歳を経ると、世間相場よりも上を行くようになる会社や仕事もあれば、逆に、若いうちからそこそこ稼げるものの、経験を積んでもそれほど給与がアップしない会社、仕事もあります。短絡的にいまの時点だけで判断すると後悔することにもなりかねません。

■業界や会社の見通しはどうか
最近は、経営上のちょっとした判断ミスから会社そのものが瓦解したり、一つの先端的技術の登場や経済の流れが変わることで、会社の業績が大きくアップダウンすることもあります。業界全体が下降気味で、今後1、2年待ったとしても上昇する見込みがないと思えるなら、思い切って他の業界に転職することも考えるべきでしょう。

ただ、業界や会社の業績がいつどうのような形で上昇するかはなかなか判断できるものではありません。今は好調な業界、会社も、いずれ斜陽化することもあります。長期的見通しは誰にも予測できない部分ですから、この判断は一種の賭けともいえるでしょう。

■チャンスは今しかないのか
前から行きたかった会社が「第二新卒」枠での中途採用を始めたとか、年齢的にみて3年も待ったら応募資格からはずれてしまうなど、今しかないと思えるようなチャンスが巡ってきたら、迷わず実行に移るべきでしょう。

逆にいえば、そのようなチャンスも、アテもないままにとりあえず辞めてしまえと退職してしまっては、必ず後悔することになります。転職を考えながらも、とりあえずは今の仕事を続けながらチャンスが巡ってくるのを待つ。結果的に入社丸3年になるまでにこれといったチャンスがなかったとしても、その間にはキャリアとして評価してもらえるだけの経験と知識が備わっているはずです。
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