辞めてから決めるパターンの留意点
このパターンを選択する人のなかには、雇用保険の失業給付を生活費としてあてにしている人もいるかもしれません。しかし、会社の倒産や定年退職、人員整理に伴う解雇などで退職したのでなく、あくまで自分の都合で退職した場合は、雇用保険をあてにするのは考えものです。というのは、雇用保険の制度上、保険金を手にできるまでには、受給手続きを取ってから最低でも約4カ月を要するからです。その間は、貯金を取り崩すか、アルバイトをしてでも食いつないでいかなければなりません。したがって、このパターンでは、お金が底をついて生活が破綻する事態をさけるため、また、せっかくの貯金を無駄に消費しないためにも、短期決戦で臨む必要があります。
入念な資金計画を立てよう
前述したように、自己都合で失業状態に入った人は、雇用保険をアテにするのはできることなら避けたいところです。入るお金がなくなる一方で、失業期間中は、健康保険や年金など生活費以外にもいろんな出費が嵩みます。
退職金制度がある場合には、その制度でいくらもらえるのか、国民健康保険や国民年金に加入し直した場合、保険金はいくらになるのかなど、入ってくるお金、出ていくお金の資金計画を立てておきましょう。
ハローワークや応募先企業を訪問する際の交通費、履歴書に貼付する写真代その他、転職活動にも意外な経費がかかりますので、これらもしっかりと見積もっておく必要があります。
生活のペースを崩さないことも大事
会社を辞めた当初は、さしあたっては朝早く起きる必要はないし、満員電車に乗る必要もないなどで至福感を味わえることでしょう。しかし、いつまでもその幸福に浸っていると、生活のペースは次第に狂い始め、なかなか本来の転職活動に身が入らなくなってしまいます。
転職を成功させるためには、失業期間中も生活のペースを保つことと、気持ちの上でも緊張感を持つことが大事なことです。しっかりとした自己管理ができないと、健康上も悪い影響が出てしまうこともあります。長年の勤続で蓄積した疲労を回復するために、退職後2、3日はのんびり過ごす時間をもつのもいいのですが、それが過ぎたら積極的に行動に移るよう、自らを律する気持ちを忘れてはなりません。
会社選びの基準を明確にする
仕事を辞めたわけですから、求人情報や会社情報を収集するための時間はたっぷりあります。あせることなくじっくりと、時間をかけて情報を集め、比較検討していきましょう。ただし、あまりにゆったり構えすぎると集中力が薄れてしまうことがあります。情報を集めすぎて、かえって混乱してしまうことにもなりかねません。
そうならないためにも、退職したらまずは、自分はどんな仕事に就きたいのか、どんな環境で働きたいのかなど、選択の条件を明確にしておく作業が必要です。
それと同時に、転職を決意するに至った経緯や動機、仕事に向かう態度、人間関係などを改めて振り返り、その中に、自分自身として至らなかったことはなかったかをじっくりと反省してみることも大事。その反省の中から、この先、新しい仕事にどう接していくのか、良好な人現関係を維持するために、自分はどう行動すればいいのかなど、有益な考えも浮かんでくるはずだからです。
せっかくの貴重な長期休暇(?)なのですから、自己チェックをして、リフレッシュした気持ちで新しい仕事探しに取りかかりましょう。