算定基礎給次第では思わぬ誤算も
ところで、各計算式にある算定基礎給とはいったい何なのでしょうか。
ボーナスの支給実績は、一般に「○カ月分」というように月数で表されますが、給与として支給される額すべてが算定基準となるわけではありません。一般的には、支給総額から通勤交通費、家族手当、住宅手当、時間外手当など個々の事情により支給額が異なる手当を除外して、ボーナス額を割り出す基本となる賃金額を決定します。これが賞与算定基礎給です。
労務行政研究所が調べたところでは、交通費や時間外手当を除いた残る所定内給与が賞与算定基礎給に占める割合は平均で9割程度ですが、中には算定基礎給が毎月支給される所定内給与の50%程度という会社もあったりします。算定基礎給が所定給の5割という会社では、「支給実績年6カ月」とあっても、給与ベースでいえば実質的に年3カ月分に相当する額しか支給されないということになります。
転職するならより多くのボーナスが期待できる会社を選びたいのは山々でしょうが、実際の支給額は、具体的に毎月の給与のうちどこからどこまでが算定基礎給に組み込まれるのかを確認しない限り、計算できないものです。ことボーナスに関しては、捕らぬ狸の皮算用にならないよう、事前にしっかり情報を収集しておく必要がありそうです。
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