転職のノウハウ/転職活動の応募のコツ

結果次第では落とされることもある 筆記試験の傾向と対策

中途採用でも、結構な割合で筆記試験が実施されています。その場になってあわてないよう、あるものと考えて事前に準備しておきましょう。

執筆者:西村 吉郎


新卒採用では当たり前のように実施される筆記試験。転職では、つい面接対策に集中しがちですが、実は、中途採用でも中小企業で約3割、中堅、大手企業となると、約4割が何らかの形で筆記試験を課しているのです。実際問題としてどんな内容の試験が実施されるのか、そこ傾向と対策を練っておきましょう。

筆記試験の種類

筆記試験には、いくつかの種類があります。まずは、試験の種類ごとに、その内容と狙いを押さえていきましょう。

■適性検査
職業適性をチェックするテストで、性格や資質と仕事の特性が適合するかどうかを見るクレペリン検査やVPI職業興味検査、職業レディネス・テストなどと、知的能力のレベルからみてその仕事に適応できるかどうかを判定する一般職業適性検査などがあります。

どの試験でも、いくら訓練したからといって変えることはできないとされています。恣意的に、検査結果を変えようとしても、かえって異常性が表れるということですから、あわてず騒がす、ゆっくり挑戦することに越したことはなさそうです。

特徴的なのは、ソフト技術者に対するプログラマー適性テスト。問題形式や検査の目的は各社それぞれですが、多くは、情報処理技術者として必要な知的能力を探ることを目的とする能力適性検査を中心として、職業興味などの検査をミックスしたものとなっています。

具体的には、(1)数的能力、(2)文章理解能力、(3)帰納推理能力、(4)演繹的能力、(5)照合置換能力、(6)手順化能力などが試されます。

実際の問題題は、決して難しいものではなく、中学生程度の学力があれば容易に解ける問題ばかりです。ただ、問題はやさしいのですが、それぞれの問題には制限時間があり、問題数の割に制限時間がかなり短く設定されています。だれがやっても制限時間内には終えられないような量が出題されるものだそうですから、全部できなくても気にすることはありません。この試験でも、事前の訓練には意味がないといわれますが、似たような問題集を手に入れて何問かやってみると、どういう問題傾向なのか心構えができますので、落ち着いて取り組むことができるようになるでしょう。

■専門職試験
語学を必要とする仕事、プログラミング経験が問われる仕事など、仕事に直結する分野の専門的な試験が課されることがあります。英語などの語学力を問う試験では、面接の場面で、英字新聞や英文の雑誌を持ち出して、一部分を翻訳させるとか、英語での自己紹介を求めるなど、筆記以外の試験が課されることもあります。

技術職でも、製品カタログなどを元に、そこに応用されている技術などを問う試験が課されたりすることもありますので、面接中であっても気が抜けません。

■一般常識試験
英語、国語、政治・経済、歴史・人文地理などの分野から出題されることが多いようです。英語は英検3級程度、時事問題はふだん、新聞を読んでいればわかる問題がほとんど。また、国語は漢字の読み書き、四字熟語などがよく出題されます。

国語や歴史、地理などは、新卒者向けにも多くの問題集が販売されていますので、復習の意味で、何冊か購入して勉強し直すといいでしょう。

時事問題については、日頃から新聞に目を通すほか、問題集を参考にして、一般的な略語とその正式名称などを勉強しておきましょう。

■論作文
与えられたテーマについて、一定時間内に400 字から800 字程度の文章をまとめるものが一般的です。構文力、文章力、表現力、漢字知識、コミュニケーション能力などがチェックされます。テーマは、事業内容に関するものや「私の好きなもの」など、身近な題材からとったものが多くなっています。
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