これまで数回にわたって、職場でのトラブル解決に役立てていただきたいということで、法律知識に関する記事をお届けしてきましたが、それでもなお納得いかないということで、メールでのお問い合わせを数件いただきました。書き手として反響があるのはウレシイのですが、私自身専門家ではありませんので、お答えするにしても自信を持って対応することができません。
そのため、できるだけ公の相談機関にご相談することをおすすめしているのですが、今度は、どこに相談すればわからないというご意見もいただきました。確かに、相談機関にはそれぞれ役割があり、応じられる問題も限られています。そこで、相談したい内容に応じて、どこに相談すればいいのかを分かりやすく整理することにしました。各相談機関名をクリックすると、身近にある窓口の所在地がわかります。
総合労働相談センター |
賃金や労働時間など労働条件に関すること、雇用における男女差別、セクシャルハラスメントに関すること、募集・採用における差別そのほか、労働問題に関するあらゆる分野の相談に応じています。ただし、労働者個人と使用者の間でのトラブル相談が主で、労働組合と会社との間に生じた問題には応じてもらえません。
労働条件相談センター |
各都道府県の労働基準協会連合会等を会員とする社団法人全国労働基準関係団体連合会(全基連)が設置している相談窓口。いわゆるお役所が設置した窓口とは違い、平日の午後5時以降や土曜日にも、賃金、解雇、労働時間等の労働条件について気軽に相談できる点で便利です。フリーダイヤルによる電話相談にも応じています。
労働基準監督署 |
残業を強制される、賃金が不当に安い、就業規則がない、健康診断を実施してくれないなど、職場が労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などに違反していることが明らかな場合は、労働基準監督署が社員からの訴えに基づいて各事業所(会社全体ではなく、支社、営業所があればそれぞれの職場ごとの意味)を指導してくれます。違反があれば法の遵守を求めるだけでなく、事実関係を強制捜査し、悪質な場合には使用者(経営者)を逮捕する権利も持っています。仕事中または通勤途上でケガをしたとか、仕事に起因する病気にかかったときなどは労災保険の適用を受けられますが、この労災の申請も労基署が窓口となります。
労基署は全国に343あり、それぞれに管轄する地域が異なります。各労基署の所在地ならびに管轄区域は、リンクから都道府県をクリック、さらに労基署をクリックすることで確認してください。
労政事務所 |
豊かな勤労者生活の確保と労使関係の安定を図るためなどの目的で、地方自治法に基づいて各都道府県が設置している相談窓口。労働問題全般についての相談に応じ、内容によっては、労働者に代わって問題の事業所に改善を求めたり、間に立って問題解決にあたってくれます。ただ、あくまでも自治体の一部署にすぎないので、法的な強制力は持っていません。
リンク先は東京都の労政事務所所在地一覧です。それ以外の道府県にお住まいの方は、各道府県庁の労働局にお問い合わせください。