転職は、新しい環境の中に自ら飛び込んでいく行為です。転職先での仕事環境、人間関係にうまく溶け込むことができてはじめて、その転職は成功したといえます。転職先にソフトランディングするために、どんな点に注意すべきかを考えていきましょう。
転職の目的を再確認する
転職は、現在の状況よりも、よりよい環境に自分を導くための手段でもあります。転職を決断するにあたっては、仕事内容や会社の経営方針、人間関係などに何かしらの不満があったことと思いますが、転職先でまた同じような不満が発生するようでは、その転職は成功したとはいえません。
そのためにも、転職先選びに当たっては、さまざまな角度からチェックするすることが大事ですが、会社や仕事に対する不満は、ときに自分自身に根本の原因があって起きていることがあります。たとえば、言動に慎重さを欠くところがあって、仕事でミスしたり、同僚との間でトラブルを招くことがあるとか、積極性が不足しているなどのために周囲から評価されず、結果的にやりがいのある仕事を任せてもらえない、給料も上がらないということで、それが不平不満に結びついていくこともあるのです。
あらためて、自分が会社や仕事のどんなところに不満を感じているのか、勤務態度や日頃の言動で至らなかった点は何かを反省することから始めましょう。問題を整理する過程で浮かび上がってきたことがつまりはあなたの転職の目的であり、心機一転のチャンスを生かすための行動の指針となります。
質問することで積極性を示す
入社してしばらくの間は、具体的な仕事内容、仕事の進め方に関するルール、職場慣習などわからないことだらけのはず。そこで、わからないことがあったら、どんなに些細なことでも上司や同僚に尋ねるようにしましょう。
質問し、それに答えてもらうことで意思の疎通が図られると同時に、相手に対しては積極性がある、問題意識を持っている、真面目だといった印象をアピールすることにもなります。
避けたいのは、これまでの経験でわかっていることだからと自己判断で仕事を進めてしまうことです。職場のルールを理解しないうちに前の会社のやり方で突っ走ると、思わぬ失敗を招くことにもなりかねません。要領がわかっていることでも、まずは段取りを確認することが肝心です。
張り切りすぎも考えもの
周囲の信頼を勝ち取るためには、仕事に対して真剣に取り組む姿勢を見せることは大事ですが、だからといって張り切りすぎるのもいけません。会社のことをよく知らないうちから自分の意見や主張を振りかざしたり、同僚からのアフターファイブの誘いを仕事が残っているからなどと断ったりしては、いつまでたっても溶け込むことはできません。そのうちに、生意気とのレッテルを貼られて、爪弾きされることになるでしょう。
会社の立場からいえば、転職者には、既存の社員にはない異質の経験をもとにして、仕事の進め方や製品開発などに新しい発想を持ち込んで欲しいという期待があるわけですが、その能力を発揮するのは、職場のルールに慣れ、周囲にも受け入れてもらえたことが納得できてからでいいのではないでしょうか。
もちろん、会議などで意見を求めらることがあれば、そのときは積極的に発言するべきですが。早く実力を認めさせたいとあせるあまりに、キャリアを振りかざしているとの印象を与えるようなことにならないよう注意しましょう。