新卒者の就職シーズン本番を迎えて、街にはリクルートファッションに身を固めた学生の姿が目立つようになりました。真剣な眼差しの彼、彼女らの姿に、自分の新卒当時を思い出す人も多いことでしょう。
ところで、新卒採用の面接では、複数の応募者を同時に面接する『集団面接』が実施されるケースは少なくありませんが、中途採用でもこの集団面接の形式をとることがあります。集団面接は、個人面接とどんな違いがあるのでしょうか。どこでどうアピールすれば、好印象を与えることができるのでしょうか。
集団面接ではココがチェックされる
集団面接は一般に、応募者3~5人が一堂に集まり、一人あるいは複数の面接担当者からアトランダムに質問を受け、回答していく形をとります。
しかし、集団面接と個人面接の違いはこのような形式だけではありません。企業は、集団面接によって面接時間の短縮を図るだけでなく、応募者を同時に観察することによって比較検討することも目的の一つとしているのです。ですから、個人面接とはチェックされるポイントも異なってくることになりますが、そのポイントとしては次の3点が考えられます。以下、それぞれのポイントごとに対応策を練ることにしましょう。
集団面接でチェックされるポイント
?要領よくポイントを整理して話す表現力を備えているか
?人の意見をよく聞く態度を持っているか、周囲への気配りができるか
?他人の前でも気後れせずに発言できるか、回答に個性はあるか
CHECK POINT 1
要領よくポイントを整理して話す表現力を備えているか
集団面接でも、聞かれることは個人面接の場合と大きな違いはありません。しかし、集団面接では、一人に対してたたみかけるような質問がなされることはまずありません。限られた時間内に応募者全員にひととおりの質問をし、回答を得るためには、一人に集中していられないからです。
個人面接では、経験内容や仕事についての考え方など、一つのポイントについていくつかの質問を行い、質問と回答のキャッチボールの中から核心を探り出す方法がとられます。納得のいかない部分があれば、さらに角度を変えて質問し、本音を引きだそうと誘導してくれるものです。これに対して、集団面接では2、3回のやりとりがあってすぐに、次の人に質問が移ります。面接担当者によっては、わざと重ねての質問をしないで突き放して様子を見ることもあるようです。
したがって、集団面接では、1回の質問に対して必要十分な回答をし、面接担当者に「いまひとつ納得がいかない」といった印象を残さないことが大切です。結論を先に持ってきて、言いたいことをまず伝えるなど、話し方にも工夫が必要といえるでしょう。
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