履歴書は、採用を勝ちとるための最も基本的で、かつ重要な書類です。しかし、そんな重要性に気づいていないのか、初めての転職で書き慣れないためか、それだけでアウト宣告されてしまいそうなミスを犯しているケースも目立ちます。どうすれば自分を的確にアピールできるかを考える前に、少しでもマイナスの印象を持たれることを防ぐための、やってはならないことを知っておきましょう。
なぐり書きすべからず
自分をアピールするための書類であるからには、読み手の立場に立って、きれいに、丁寧に書くのは基本中の基本です。しかし、中には、何をあわてたのか、ほとんどなぐり書きに近い履歴書も見られます。書き損じた箇所を、ホワイトで修正したり、グジュグジュとペンで塗りつぶしたりして、そのままにしてある履歴書もあったりします。字がうまくないからと不安がる人もいるようですが、人事担当者にすれば、よほどの悪筆でもない限り、時間をかけて書いたのか、時間をかけずになぐり書きしたのかは、一目で分かるそうです。達筆だけど、なぐり書きに近い書き方よりも、下手でもいいから丁寧に書かれてある履歴書のほうが、ずっと印象はよくなります。
誤字・脱字を見落とすべからず
ワープロ全盛の今日では、タイプミスや見落としによる誤字、脱字も少なくありませんが、自筆が原則となる履歴書で、誤字・脱字があったり、略字を使ったりするのは、読み手に横着な印象を与えてしまうこともあります。単なるケアレスミスだったとしても、基本的な学力にまで疑問をもたれるようなことになると最悪です。履歴書を作成するときは、辞書を手元に置いて、自信がもてない漢字は必ず辞書で確認してから記入するようにしましょう。書き上げた後も2、3回は読み直して、ミスはないかを確認することが大事です。
学歴・経歴を詐称すべからず
履歴書における最大のタブーは、学歴や経歴を詐称することです。中途採用では、大学の卒業証書や成績証明書の提示を求められることはまずありません。だからといって、中退なのに卒業と偽ったり、通ってもいない学校を卒業したと偽ると、入社後に判明した時点で、それだけで懲戒免職の対象となることもあります。前の会社を退職してからのブランクが長いとき、前の会社を短期間に辞めたときなど、退職日をずらして記入したり、なかったことにするケースもあります。この場合も、会社にとって、採否の決定に重要な要素だったと主張されるると、懲戒処分は避けられません。何があっても、虚偽を記載することは避けましょう。
コピーした履歴書を提出すべからず
複数の会社に応募する場合、履歴書をその都度書くのは面倒とばかり、1通を原本に複写したものを郵送する人がいます。書かれてある内容はともかくとして、コピーの履歴書ほど、入社の意欲を感じさせないものはないというのが多くの人事担当者のとらえ方です。コピーしてあるということは、当然他の会社にも同じものを送付して応募しているであろうことが推察されるからです。面倒でも、一通ずつ手書きする。これが基本です。不合格となって送り返されてきた履歴書を、日付などを修正して別の会社に郵送するというのも、修正箇所から、使い回していることはすぐにバレます。
空欄をつくるべからず
志望動機欄、本人希望記入欄など、応募者が自由に書き込む欄には、いったい何をどう書けばいいのか悩む人は多いようです。で、つい空欄のまま提出することになるわけですが、何も書かないのはありきたりのフレーズを書く以上に大きなマイナスとなります。志望の動機など、別にこなれた文章でなくても、その会社でその仕事をやりたいと思うのかを伝えられればいいのですから、感じたことを素直に書いて、空欄にすることだけは避けましょう。本人希望欄はいわばフリースペースです。履歴書用紙によっては、給与、勤務地などの希望を書くことが指定されてますが、必ずしもこれに従う必要はありません。志望動機欄で伝えきれない自分の思いを記入したり、どんな理由で転職しようとしているのかなど、自分をピーアールするためにフルに活用しましょう。