転職のノウハウ/転職活動の面接対策

圧迫面接と上手なかわし方

新卒ではしばしば行われる「圧迫面接」。中途採用でも、ときとしてこの圧迫面接が行われることもありえます。質問の仕方に仕掛けられているトラップを見抜き、上手にすり抜ける対策術を考えてみましょう。

執筆者:西村 吉郎


圧迫面接って何?

圧迫面接とは、わざとイジワルな質問をしたり、応答に厳しい突っ込みを行うなどして、応募者を惑わせ、その反応を見ようとする質問の仕方、技法のことです。初めから終わりまで一貫してこのような面接になるわけではなく、通常は、面接の終盤に突然のように、このような質問が投げかけられることになります。

具体的には、「当社には向いていないように思えますね」とか、「もっとほかにもいい会社はたくさんありますよ」、「この仕事は実際のところ泥臭くて、しんどいことばっかりなんですよ」、「3回も転職しているなんて、飽きっぽい性格なんじゃないですか」などといった質問がそれに当たります。

会社が圧迫面接を行う目的は何なのでしょうか。それは、一言でいえば、質問に対する「反応」です。もともとすこしイジワルすることを想定して質問しているわけで、そこに正しい回答を求めているわけではありません。むしろ、答えに窮するようなこと、多少はムカッとするような質問をされたとき、応募者がどんな対応で切り返してくるかを見ようとするのです。

通常の面接では、このような圧迫面接が行われることはないのですが、ある人事担当者によれば、あまりに優等性的な回答ばかりで本音が見えにくい人に対しては、ついイジワルしたくなるとのこと。とすれば、面接中にイジワルな質問が出たら、自分を素直に表現できていないと反省すべきなのかもしれません。

また、どうでもいいような人の場合は当たり障りのない質問で早めに切り上げようとするとのことなので、あえて時間をかけてまで圧迫技法を仕掛けてくるようなら、自分のことをもっと深く知りたがっているんだと、ポジティブに考えてもいいことになります。

以下、実際の面接で行われた、圧迫面接に該当する具体的な質問を取り上げ、それにどう対処すべきかを考えていきましょう。


圧迫面接の具体例とその対処法

これまでのやりとりで、だいたいあなたのイメージがつかめてきました。でもね、あなたのようにオープンマインドで、誰とでも仲良くできるというようなタイプは、えてして底が浅いんです。

面接官は、ときとして応募者を怒らせるような質問をして、その反応を見ようとします。こうした話題は、決して本音で言っているわけではなく、単なる挑発。これに対して露骨にムッとしたり、萎縮するようではマイナスです。「私はおっしゃるような軽薄なタイプではありません」などと、気色ばんだ様子でひたすら否定するだけでは、自分の感情をコントロールできないタイプと判断されてもしかたがないでしょう。

たとえば「ご指摘のように、何にでも首を突っ込みたがるところはあります。でも、逆にいえばそれは、新しい商品や事業に関するヒントをつかむ上では欠かせない要素なのではないでしょうか」などと、切かえすくらいの冷静さをを持ちたいものです。


いろんな夢をお持ちのようですが、あなたが考えているほどにはスマートではないし、残業も多くてきつい仕事なんですよ

これは脅しのパターンです。それほど格好よくないとか、残業が多いなどは事実であって、そんな実態を理解した上で応募してきたのかどうかを試したり、それに対する覚悟ができているかどうかを見るためのこともありますが、だからといって、耐えられないほど残業が多いわけではありません。そうでなければ、とうに社員に逃げられて、会社として成り立っていないはずだからです。
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