●資本金
資本金には、設立・増資の際に金融機関に払い込む「払込資本」と、商法上の手続きなしで増資できる範囲を示す「授権資本」とがあります。払込資本を表記するのがふつうですが、見かけを大きくしようと授権資本額を表記する会社もありますから惑わされないようにしましょう。
資本金を単純に比較して、経営規模の大小をウンヌンすることはあまり意味がありません。メーカーのように、生産設備を調えるために比較的多くの資本を必要とする業種もあれば、ソフトハウスなど大きな設備投資を必要としない事業もあるからです。比較するなら、同じ業種間で見るにとどめるべきでしょう。
●売上高
一定期間(通常1年)にどれだけの商取引があったかを示す数字です。業績が低下傾向にあることもありますので、別途、売上高の推移を調べてみるべきです。
この売上高も企業規模を比較するデータとして重要ですが、数字を絶対的なものとして過信することは禁物です。たとえ10億円の売上があっても、原価や販売経費などの合計がそれを上回っていれば、実質的な赤字。むしろ、売上高5億円でも5000万円の利益が出ている会社のほうが、経営はずっとうまくいっているといえます。
売上高をみるときは、従業員数で割った「従業員一人当り売上高」を計算してみましょう。同じ1億円を10人で出した会社と、20人で出した会社とでは、前者の方がより効率的な経営がなされており、1人頭の分け前も大きくなると判断できることになります。この場合も、業種によって同じ売上を達成するに必要な経費には大きな違いがありますので、同じ業種間での比較でないと意味がありません。
●従業員数
「従業員数」にはパート、アルバイトなどの非正規社員も含まれます。正社員だけの場合は「社員数」と表記されているはずです。
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