転職のノウハウ/内定・入社・退職手続き

退職を意思表示する文書の書き方(2ページ目)

会社を辞める時に書く退職願。正しい書き方をご紹介します。「辞表」と「退職願」、正しいのはどちらでしょうか?

執筆者:西村 吉郎

●「辞表」と「退職願」、正しいのはどっち?

さて、石原伸晃元国土交通大臣が藤井元総裁に提出を求めたのは「辞表」ということですが、果たして、退職の意思表示を行う文書を「辞表」とするのは正しいのでしょうか。

辞表の意味を手元の辞書を引いてみると、「職を辞する際、その旨を書いてさしだす文書」となっています。辞意を表明する文書=辞表、と解釈すれば、決して間違いではないと思われます。

ところが、地方公共団体の長が体調不良などを理由として議会あてに辞意を表明する文書は、新聞記事などでは「○○市長が市議会議長あてに辞職願を提出」などと、「辞職願」として表記されています。辞表はあくまでも慣習的な呼び方であって、正式には「辞職願」とべきもののようです。だとすると、藤井元総裁が提出を求められている文書も、正しくは「辞職願」とするのが正しいということになります。

ただし、「辞職」は公務員が自分の意志で職員の身分から離れる場合、あるいは民間企業でも雇用契約ではなく委任契約となっている取締役が自分の意志で職を辞する場合に使われる言葉ですから、一般の会社員の場合はふさわしくありません。

一般の会社員の場合、前項で述べたように、合意解約の申し込みを行う趣旨で届出る場合は、「退職願」とすべきです。辞表は正式なものではありませんし、「退職届」では、一方的な解約告知であると判断されることになりかねないからです。逆にいえば、何といわれても辞めるという意思を伝えたければ、「退職届」でも構わないことになります。会社から肩たたきに合い、話し合いの結果、応じることにした場合も、文書での提出を求められたときは「退職届」でいいでしょう。

●「退職願」(退職届)の書き方は?
退職願(退職届)の書式には、一定の決まり事があります。具体例をもとに説明しましょう。

次ページで具体的に書き方の解説をしていきましょう。
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