社会ニュース/よくわかる時事問題

【マニフェスト比較】自民党vs.民主党(3ページ目)

8月30日投票の衆院選に向け、ようやく各政党のマニフェストが出そろいました。そこで、政権交代を賭けて激突する自民・民主両党のマニフェストを、徹底比較! 年金・医療や雇用対策では、どんな違いがある?

執筆者:志田 玲子

底なし沼の雇用不安に、どう対処する?

画像の代替
6月の失業率は5.4%と、過去最悪の水準=5.5%に肉迫! 雇用不安はまさに、底なし沼……
写真提供:フリー画像素材EyesPic
両党の雇用対策の違いは?
■自民党の注目政策
・日雇い派遣の原則禁止
・非正規労働者の待遇改善のため、均等待遇の取り組みを支援
・失業給付を受けられない人向けに、新たなセーフティネット(安全網)を構築

■民主党の注目政策
・日雇い派遣など、雇用期間2ヵ月以下の労働者派遣を禁止
・性別や正規・非正規を問わず、同じ職場で同じ仕事をする人は、均等待遇を実現
・すべての労働者に雇用保険を適用

日雇い派遣の禁止と、正規・非正規の均等待遇については、両党とも同じ方向性。一方で、自民党が、新たなセーフティネットの構築を掲げるのに対し、民主党はより具体的に、雇用保険の適用拡大を目指します。

そう言えば、先の国会では、週20時間以上働く非正規労働者の雇用保険加入の条件(雇用見込み期間)を巡り、与野党が激しく対立! それまで1年以上とされていた雇用見込み期間を、6ヶ月以上に短縮する政府案に対し、野党側は、31日以上にして加入できる人をさらに増やすよう要求しました。しかし結局、政府案が成立。雇用見込み期間は、6ヶ月以上に限定されました。

「社会保障国家・日本」を担えるのは、どの政党?

さて、社会保障分野を中心に、2大政党の政策の違いを見てきましたが、全体として、自民党の場合は、現行制度を維持したまま手直しする政策が多いという印象。一方、民主党は、現行制度を大きく変える政策が目立ちます。いずれにしても、時代の潮流は、道路・空港・新幹線の建設に驀進する「土建国家」から、安心して生活設計ができる「社会保障国家」へ。国民のニーズが大きく変化する中、果たして、どの党の政策なら、そのニーズに応えられる? 財源問題もさることながら、税金の投入先を、政策ニーズの変化に応じて変えられるかどうかが問われる選挙!と、言えそうです。

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