キャリア官僚とは?
霞ヶ関の官僚たち、大きく変えることができるか? |
どちらも正式な用語ではありません。俗に、国家公務員試験の大卒程度採用で、1種試験合格者を「キャリア官僚」、それ以外の官僚を「ノンキャリア官僚」といっているのです。
戦前の公務員制度は高等官・判任官・雇・傭人という身分制が規定されていましたが、戦後は廃止されました。しかし、インフォーマルな形で、官僚の幹部候補とそれ以外の公務員はわけられました。それがキャリア・ノンキャリアの別です。
現在の公務員1種試験は戦前の上級職甲種試験(最上級の試験)の後身であるとされ、これを合格したキャリア官僚は、各省庁の本省によって採用され(ノンキャリアは各局・または地方出先機関が採用)、幹部としての養成を受け、スピード出世していくことになります。
キャリア制の廃止はなるか?
政府の有識者会議「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」では、国家公務員の採用改革としてキャリア制の廃止を明記し、試験段階で硬直化する人事行政の改革を政府に求めています。この案によると、1・2種の試験は廃止し、新たに総合職・一般職の試験に分類するということになっています。総合職は政策の立案など、一般職は現場で政策を実行する官僚たちです。
そして中途採用の定期的な実行、「幹部候補育成過程」を導入し、幹部候補職員の一般職からも選抜して、出世コースの硬直化をなくそうとしています。
政府はこれを受け、来年の通常国会で法改正を行う予定ということです。果たしてこれで、官僚の「お役人意識」は変わるのでしょうか?
■関連サイト 事務次官と日本の官僚制基礎知識2007