債券投資のチェックポイント:信用性
債券を購入する際は、交付される目論見書や有価証券届出書で財務内容を確認 |
信用性とは、その債券の発行体の財務内容では元利金をどの程度確実に支払えるか、という意味です。債券を発行する時に作成される目論見書には、発行体の資本構成や財務諸表が掲載されています。必ず、購入前に目を通して確認しておきましょう。
会計の知識に詳しくないという人は、債券の格付け情報を参考にするとよいでしょう。金融庁長官から指定を受けた指定格付機関(Moody'sやStandard & Poor's、日本格付研究所など)が、債券の発行体について、元利金の支払い能力がどれぐらいかを評価したものです。
格付けには、A,B,Cやa,b,cというアルファベットと、+、-の記号が使われます。A格はB格より財務内容が優れており、AAA(またはAaa)はAA(またはAa)よりも優れ、A+はAよりも、またAはA-よりも優れています。格付けの表記や定義は、それぞれの格付機関によって若干違いがあります。実際に購入する際には、付された格付けがどのような意味なのかを格付機関の定義で確認する必要があります。
格付けは、購入時だけではなくその債券を持ち続けている間はずっとチェックし続けている必要があります。発行体の財務内容は事業を通じて時間の経過で変化することがあるからです。
債券投資のチェックポイント:資金の利用目的
債券を発行する時、通常その発行体は、何らかの事業のために資金を必要としています。投資の際には、発行体がその資金をどのような目的に使うのかを確認しましょう。例えば、6月に個人向け社債を発行するソフトバンク。総額600億円の社債発行ですが、この資金は以前に発行された社債償還など有利子負債の借り換えのため、と日本経済新聞で報じられました。つまり、「あなたに借りたお金で、以前の借金を返済します」ということ。
2年物で年利5.10%という利率は驚くほどに高水準。さらに、購入者全員にエコバッグのプレゼント、そして抽選で福岡ソフトバンクホークスの2010年開幕戦ペアチケット&ホテル宿泊券が当たる、というおまけつきです。見るべきポイントはしっかり押さえた上で、投資判断をして頂きたいものです。
社債は、償還まで持ってさえいれば、当初約束された通りの元利金が受け取れます。そのため、株式に比べてリスクが低いと言われます。しかし、そのリスク度合いは、償還までその発行体の財務が安定して継続するか否かで大きな差が生まれます。高い利率や購入時のおまけに惑わされずに、その債券を評価するのは発行体の財務内容だということを、お忘れなく。
【関連サイト】
・借金の申込み、○○円までなら貸す!?
・「金利2%~3%の債券? 劣後債って何?」(All About「マネープラン入門」ガイドサイト
【関連リンク】
・『物価・インフレ・デフレ・地価』