画期的判決! 上司の「パワハラ」を司法が断罪

自衛官の「いじめ自殺」で、国の責任を認定! 海上自衛隊・佐世保基地の護衛艦さわぎりで自殺した当時21歳の男性3曹(自衛官の階級の1つ)の両親が、「自殺の原因は上官のいじめだ」と、国に2000万円の損害賠償を求めた裁判。福岡高等裁判所は8月25日の控訴審判決で、上官の言動を違法とし、国に350万円の支払いを命じました。自殺した3曹は1997年、自衛隊に入隊後、99年11月に自殺。裁判所は、「バカかお前は、3曹失格だ」などの上官の発言について、「人格自体を否定した」と判断。こうした言動により、3曹はうつ病になったと認定し、「上官は、3曹の心身に変調がないか観察して対処する安全配慮義務に違反し、侮辱的な言動を繰り返した」と断罪しました。

自衛隊員の自殺は公務員平均の2倍!

こうした訴訟は、横浜地裁など他の裁判所でも争われています。つまり、それだけ自衛隊の自殺者が多いということ。10万人当たりの自殺率で比べると、国家公務員の平均17.7人(2005年度) に対し、自衛隊員はなんと34.4人!(2007年度) 2倍に上っています。しかも、同年度の自殺者83人のうち、原因が判明していないケースが半分以上。中には、「いじめ自殺」に該当する例もある? 自殺した3曹の父親は、判決後の会見で「自殺を考えたり悩んだりしている自衛官は、他にもいるはず」。一方、母親は「息子は自殺する前、『このままでは自衛隊が駄目になる』と言っていた」。この重い言葉をどう受け止め、今後の再発防止にどうつなげるのか? 自殺防止・職場改革の重責を担う防衛省には、きちんと説明して欲しいものです。

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