文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
前回記事、「ニュースでたどる消費の傾向」では、消費に目立った影響のある出来事を紹介しました。消費の傾向は、長い年月の中では変化もするもの。サラリーマン世帯の生活水準は、この40年でどのように変化してきたのでしょうか。世帯の人数や1カ月の日数、物価の変動の影響を取り除いて計算した「消費水準指数」で見てみることにしましょう。

<INDEX>
【消費いまむかし、40年の変化(この記事)】
衣食住より教育・医療?!(1P目)
税金と社会保険料が倍増!(2P目)
収入のピークは10年前(2P目)
妻の収入、2.3倍に増加(2P目)
収入が増えないから、貯蓄をする努力(3P目)
財布のヒモを絞ったこの10年(3P目)

【シリーズ"家計"の記事】
「標準的な家計、知りたい?」
「2007年の家計簿を覗き見!」
「ニュースでたどる消費の傾向」
「地域特性おもしろ消費(仮題)」

衣食住より教育・医療?!

まずは、この40年間の支出の内訳の変化を見てみましょう。

図表4-1  消費支出の40年の推移
(二人以上の世帯のうち勤労者世帯、出所:総務省「家計調査」)

衣食住といえば、支出の中でも基本的な部分。しかし、この40年の間には、衣食住への支出割合が低くなっていることがわかります。

40年前には生活費の約3分の1だった食費が、今では5分の1程度に、家具や冷暖房器具、家事用品などの「家具・家事用品」は4.9%が3%に低下。「被服及び履物」に至っては、9.7%から4.6%へと、その割合を半分以下に減らしています。

では、生活費の中でウエイトの高くなった支出は何なのでしょうか。約3倍に膨らんだのが「交通・通信費」で4.5%から14.3%へと急増しています。携帯電話などの通信料の伸びで、電話通信料が増加。携帯電話の普及を考えるとうなずけます。他にも教育費が3.5%から5.9%へ、保険医療費が2.3%から3.6%へと、それぞれ1.5倍以上になりました。

額こそ小さいですが、衣食住を減らしてでも支払を増やすことになったこれらは、今の時代には外せない、重要な支出と言ってもよいでしょう。

携帯電話は料金制度が変わったばかり。新制度になってから機種変更が一巡するまでは、携帯電話の端末料金は誰もが気になるでしょう。また、デフレの時代にも値下がりしなかった教育費や医療費は、今後も家計うちで確保しておくべき支出となりそうです。

なお、食費の内訳には大きな変化がありました。40年間支出が伸び続けている「調理食品」が40年前の約2.3倍に。「外食」は、ピークの1990年代前半に比べて現在は減少傾向であるものの、それでも40年前の1.8倍の水準です。時代の変化ですね。

40年で負担が増えた支出は、まだあります。次のページで見てみましょう。