くらしの中での物価判断には不向き
携帯電話の通話料も、変動が大きく注目されている品目 |
性能が向上、価格が同じなら実質下落
大幅に下落しているのは、家庭用耐久財と教養娯楽用耐久財。2005年を100として、2007年平均は、家庭用耐久財が89.0、教養娯楽用耐久財が67.8と大幅な下落です。しかし実際の家計で、これらの商品購入代金は、本当にそんなに低い支出となっているでしょうか。家庭用耐久財とは、電子レンジや冷蔵庫など、教養娯楽用耐久財とは、テレビやDVDレコーダー、パソコン、カメラ、ビデオカメラなどです。
確かに、これらの商品は価格競争が激しいものばかりですが、実は消費者物価指数を見る上では、これらの価格変化には、注意をする必要があります。消費者物価指数は価格の変化を測定する目的なので、同じ性能や品質の商品の価格変化を見ていきます。裏返せば、性能が向上しても価格が同じなら、消費者物価指数は下落したことになります。
また、景気が良くなって、消費者が質の良い商品を選んで購入したとすると、家計調査での平均購入価格は引き上がります。しかし消費者物価指数では、同じ商品の価格が据え置かれていたら、指数は変化しません。
次のページでは、消費者物価指数をくらしに活かす場合の注意点をまとめてみました。