オタクを超えたフィギュアブーム「ガンダム」には幅広い層のファンがいて、人気が衰えません。アニメのキャラクターなどを人形に再現した、フィギュア。フィギュア市場には、最近では大手の玩具メーカーも本腰を入れて参入しています。フィギュア市場2006年の売上げ規模は、矢野経済研究所の推計では、240億円(お菓子などのおまけのオモチャやガチャガチャを除く)です。玩具業界全体では、この5年間で10%の売上減少となる中、フィギュアのマーケットはひとり気を吐く勢いです。2004年の180億円から、2年で1.3倍になっています。フィギュア市場を引っ張るのは「ウルトラマン」「仮面ライダー」「機動戦士ガンダム」など。バンダイのヤマトのプラモデルにいたっては4万7500円するそうですが、順調な売上げだそうです。もはやいわゆるオタク層を超えて幅広いブームになってるといっても良いでしょう。アキバ発、日本の景気そしてアニメ、フィギュアといえば、アキバ。最近の地価上昇の話題は、銀座や六本木といったおしゃれな街に焦点が当たっていますが、秋葉原の実力もそうそうたるもの。不動産専門データバンクの東京カンテイの発表によれば、この1年で中古マンション価格の上昇率トップは秋葉原だそう。同社発表によると、JR山手線「秋葉原駅」は1年で95.47%の上昇、約2倍になっており(平米単価101.7万円)、駅別中古マンション価格上昇率で堂々の1位です。アキバの中古ビルに入居しているオタクな店舗も、じつはバブリーなのかも。オタクは「お宅」ではなくなった家電の秋葉からオタクの街アキバに変貌している秋葉原「オタク」の定義を、フィギュアの製造販売を行うオーガニック株式会社では「好きなこと(趣味)に没頭し、それを愛し、時には収集し、時には交換し、同好の士と語らう人々の事」としています。野村総合研究所では、「強くこだわりを持っている分野に、趣味や余暇として使える金銭または時間のほとんどすべてを費やし(消費特性)、かつ、特有の心理特性を有する生活者」としています。すると、趣味に没頭する人は全て「オタク」と呼ぶことができます。オタクは、お金と時間に余裕がないとなれません。一方、余裕がありすぎる人もオタクから外れます。何でも簡単に手に入るために、商品やサービスに対するこだわりが薄くなるからです。不況の最悪期を脱出し、しかし最高潮の好景気でもない今の日本。この環境がオタク人口を増やし、オタク層が日本の消費をリードしているのでしょう。「家電のアキバ」の時代から、エンタテインメント・オタクの居場所だった秋葉原では、萌え系アニメ、メイドカフェ、おでん缶、フィギュア、とオタクの愛する対象が数年周期で移り変わってきました。しかし、それらが本当にアキバの中だけで終わってしまっては、本当に「オタク」。いずれも、その後全国的にブームが広がっていることから、「オタク」は「お宅」ではなく、もっとオープンな文化なのではないかと思わされます。数年後の日本は、オタクがマジョリティになっていたりして……。【関連リンク】・「○○の経済的影響を探る」・「景気指標や経済データ検索」前のページへ12※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。