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株式取引の心理に迫る、この格言【心理編】(3ページ目)

株式市場には、古くから伝わる格言やことわざがたくさんあります。投資家の心理の痛いところをつく格言をご紹介します。

執筆者:石原 敬子

冷静になれといわれても・・・

女性
思ったとおりに行かない時には・・・
株式取引に関する格言を並べてみると、自分を冷静にさせるための戒めが多いことに気がつきます。

投資は、思ったとおりに行かないものです。それがアタリマエ。そう思って失敗も経験、と受け入れましょう。もしそれが嫌なら、これらの戒めをよく肝に銘じることです。

●売れば二上がり、買いや三下がり、切ってしまえば本調子
もともとは、三味線の音調子の言葉から来ているそうです。持っていない銘柄に限って予想が当たる、ということはありませんか?「自分が株を売ると上がるし、買うとすぐ下がる、持っていない株に対して予測したことは当たるんだ」という投資家は多いものです。

その銘柄を持っていないからこそ冷静になれて、予想通りになるのでしょう。売り買いに迷ったら、その銘柄には関係ない立場ならどうするか、と考えましょう。

●腹立てて売り、腹立てて買い、決してすべからず、大いに慎むべし
うまく行かない時ほど、売買の頻度が高くなる人は要注意です。気持ちが冷静でないので、判断も冷静さを欠いています。そんな時は、いったん相場から離れること。そこでタイミングを逃してしまったとしても、冷静になってから判断する方がずっとましです。

●もうはまだなり、まだはもうなり
「もうここが底だ」と思ってもまだ下がってしまったり、「まだまだ上がる」と思ったらそこが天井だという教えです。投資をして興奮状態になったら、自分の突っ走っている気持ちと反対のことをして見るのも良いかもしれません。

●押し目待ちに押し目なし
「押し目」とは、株価が上り調子の時に、ちょっと安くなった瞬間のこと。良い銘柄ほど、値下がりはしないものです。目利きのあなたが「買いたい」と思って目をつけた銘柄は、その通り、良い銘柄だったのです。だから、他の投資家からもジャンジャン買い注文が入ってきて、押し目もないまま上昇してしまったわけです。悔やむ前に、そんな銘柄に目をつけたその判断に対して、自分に拍手を贈りましょう!

●売りにくい相場は安い、売りやすい相場は高い
売り指値を下げても下げても売れないでいるという状況は、だんだんその銘柄の株価が下がっていっている場面。「あ~あ、思い切って最初からちょっと安い指値にでもしておけばよかった。そうしたら、少なくとも今よりは高く売れたのに」という感じです。

こういうときは、あなたの売り注文だけではなく、他の投資家の売り注文もたくさん出ているし、買い注文はとても少ないときです。だからその先も下がるのです。

こうしてみると、投資の極意は、自分本位にならないのが一番のようです。投資は、自分の気持ちとの戦いです。冷静になる方法を用意しておいたり、自分は人間だからと広い心で受け入れたりと、対処方法はさまざまです。自分のせいかくなら、どんな方法で対処したらよいかを考えてみましょう。

投資に強くなるには、経済や金融の勉強をすると同時に、心理学を勉強したら良いかもしれませんね。


【関連サイト】

「株取引の極意を表わす、この格言【売買編】」

「株式市場のクセを知る、この格言【相場編】」

「投資は心理学?行動経済学とは」


【関連リンク】

「株式・投資のイロハを学ぶ」
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