麻薬によるさまざまな刑罰
世界のほとんどの国で、麻薬の生産・販売・所持・使用などは全て処罰の対象になっています。しかしその内容にもいろいろあり、厳しい刑罰に対象になる国からやや緩い国までさまざま。酒井法子容疑者が逮捕された後、あるテレビ番組でビートたけしが「中国だったら死刑」と話していました。それは本当でしょうか? はい、本当の話です。中国では覚せい剤の製造、運搬、販売は、量が50g以上で死刑の対象になります。2003年には日本人2人が麻薬密輸の容疑で中国で逮捕され、その後裁判では死刑判決を受けています。
シンガポールでも、麻薬所持によって極刑が科されます。シンガポールでは、15g以上のヘロイン、30g以上のモルヒネ、500g以上の大麻、250g以上の覚せい剤等の所持・密売・密輸で、死刑になります。
それ以外でも、タイやマレーシアなどのアジアの国では、麻薬で死刑になる可能性も。全体的にアジアに死刑を科す可能性のある国が多いようです。
ポルトガルでは逮捕されない?!
ポルトガルはヨーロッパの西の端にある小さな国だ。 |
ポルトガルでは2001年から、薬物の使用者に刑法ではなく行政法を適用しています。つまり、薬物の使用者を逮捕せずに、更生施設に入れるなど警察・刑務所を関わらせない方法で対処しています。
これは世界でも珍しい革新的な政策ですが、効果のほどはどうでしょうか? ポルトガルの15歳から64歳人口の薬物使用率の統計によると、大麻の使用者は2001年の3.3%から2007年には3.6%へ増加、コカインは0.3%から0.6%に増加、覚せい剤は0.1%から0.2%へと増加しました。どうやら、不逮捕政策が薬物使用者を減らしているとは、まだ言えないようです。
それ以外の不逮捕政策として、まだ実行されている国はありませんが、議論として「逮捕ではなく、高い税金を課すことで薬物使用を抑制しよう」という考え方も存在します。逮捕、更生施設、税金、どの方法にしても、最大の目的は「麻薬を使う人達を1人でも減らしていこう」であることは一緒ですね。
参考文献
世界薬物報告2009参考サイト
asahi.com(2007/8/20)在シンガポール日本国大使館
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