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環境用語・超基礎クイズ(2ページ目)

クールビズとか地球温暖化とかリサイクルとか、「地球に優しい言葉」は氾濫していますが、環境問題は実に根が深いのですよ。そんなあなたに挑戦! どれだけ解けますか? 一問一答形式、計20問です!

執筆者:辻 雅之

環境問題 超基礎編クイズ/解答編

Q1 「3R」とは、何と何と何?

Reduce(リデュース:排出抑制)・Reuse(再使用)・Recycle(リサイクル、再利用)の3つの頭文字。

2000年に制定された「循環型社会形成推進法」で定められている、排出物削減のルールであり、上記の順番を優先して処理しなければならないとされている。過程で熱をがんがん出すリサイクルは地球温暖化を促進するので3番目。一番大事なのはゴミを出さないこと、というわけ。

Q2 開発が自然にかける負荷を事前に予測することを何という?

環境アセスメント(影響評価)

わが国では1997年に「環境アセスメント法」が制定されたが、公共事業へのアセスメントに限られているのが特徴。自治体によっては、民間の大規模プロジェクトについてもアセスメントを課している条例を制定していたりもする。

Q3 国民、市民たちが、彼ら自身の手で、自然林を買収したり、歴史的遺産を保護したりする運動を一般的に何という?

ナショナルトラスト

もともとイギリスで始まった、「一人で何a(アール)かづつだけでいいから、みんなで自然林を買収して保全しよう」という運動。その歴史は1895年からと古い。

日本でも、知床100平方メートル運動、環境風致保存会(鎌倉)など、数々の運動が展開されている。

Q4 1992年、リオデジャネイロで開催された、世界のほとんどの国が集まって開かれた国連環境会議をふつう何という?

地球サミット。正式には「国連環境開発会議」。

冷戦後の国際状況を踏まえて、問題化しつつあった地球温暖化問題など、さまざまな環境問題を話し合うために開催。

テーマは「持続可能な開発」。今の世代だけでなく、21世紀、22世紀の人類も開発ができるよう、開発の抑制を考えていこうというもので、現在の国際環境問題においても大きなスローガンである。

Q5 Q4で締結された、世界初の地球温暖化防止のための多国間条約を何という?

気候変動枠組条約

ここで決められたことはあまり実質的なことではなく、これから締約国会議(COP)を開いて具体的なことを決めますよ、ということ、先進国と「市場経済移行国」(旧ソ連、東欧のような国々)の定義づけくらい。

そのためか、いの一番にアメリカが批准し、94年には発効した。とはいえ、画期的な条約であることには間違いない。

Q6 京都議定書で義務づけられた日本、アメリカ、EUの温室効果ガス削減目標は、1990年比でそれぞれ何%?

日本:6% アメリカ:7% EU:8%

あくまで「1990年比」なので、2005年の今からこれを達成するためには、日本はおよそ14%の削減が必要になるといわれる。エアコンの設定温度を28度にしたくらいでは、追いつかない可能性は高い。

特に日本はオフィスからのCO2排出が多いので、やはりクール・ビズは必須だろうか。

Q7 酸性雨の原因物質といわれる2つの酸化物とは?

硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)。

主に工場から出る煤煙、自動車からの排出物の中に含まれる。

深刻な被害が出ているのがヨーロッパで、いちめんの森林が無惨に枯れたりしている。日本はまだましな方だが注意が必要。

ちなみに、酸性雨の雲は当然国境を超える。日本は中国方面から雲がやってくるので、日本の酸性雨対策には中国との協力が不可欠。

Q8 砂漠化が特に進行している、サハラ砂漠とサバナ草原の境にある地域を何という?

サヘル。

もともと、草原地帯で、放牧や少しの農業で人々は生計をたてていた。しかし、20世紀後半からの人口爆発で、人々は多くの人口を養うため、放牧や農業を増やし、結果的に土地の生産性を激減させて砂漠化の進行を招いてしまった。

とはいえ、現地住民を責めて終わる話ではない。そもそも、人々をそのような原始的農業に依存しなければならなくしたのはこの地域を植民地支配していた先進国だ。

Q9 絶滅危惧種の国際商取引を規制して動植物の絶滅を防ごうとする条約とは?

ワシントン条約

1973年と比較的早い時期に締結され、多くの国が参加、効果を上げつつある。現在、5000種以上の動植物が絶滅に瀕しているとされている。世界サミットでは「生物多様性条約」も採択された。

Q10 家電リサイクル法で排出者のリサイクル費用負担義務が課せられているのはどれ?(4つ)

テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機。

問題は、排出者負担の時期が「排出時」にある点。そのため、これを逃れるための不法投棄がむしろ増えているとの指摘も。負担時期を「購入時」にすべき、という意見もあるが、価格にそのまま反映するため、不況が続く現在、ためらう声も多い。



Photo by (C) RARURU. 北の大地の贈り物
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