経営陣が企業を買い取る大金を持っているの?

1万円
経営陣は、企業を買い取るほどの資金を持っているのか?
企業を買い取るといっても、もともとオーナー経営者でなかったサラリーマンの経営陣たちが、それだけの資金を持っているのでしょうか?

時価総額の小さな企業の場合は、経営陣だけで企業を買い取ることも可能です。2005年7月に発表された、婦人服メーカー、ワールドのMBOのケースでは、全額経営陣の資金によるものでした。しかし、時価総額の大きな企業の場合はそうもいきません。その場合、投資ファンドが絡んでくるケースが多いのが通常です。

投資ファンドは、MBOの段階で資金を提供し、経営陣が経営のノウハウを出す形で参画します。投資ファンドが経営のノウハウを十分に持ち合わせているとは限りませんが資金は豊富ですし、効率のよい投資先を探しています。また、今までの経営陣がそのまま経営の指揮を採ることで、その後の事業も人事もスムーズに運ばせることが出来ます。この2者が手を組んでMBOを行うわけです。経営建て直しの場面で利用される場合、投資ファンドは資金面でバックアップし、元の経営陣が経営面で思い切った事業展開を行うというようなシナリオが一般的です。

経営てこ入れに資金を出す理由はどこに?

ここで、経営建て直しをするほどの企業に、なぜ投資ファンドが資金を提供をするのだろうかという疑問も湧いてくるでしょう。

投資ファンドは一般的に、時価総額が小さいが人的資源やノウハウを持ち、うまく活用すれば時価総額が大きくなりそうな企業に投資をします。いずれその企業を再生させて再度上場させるなどして時価総額を引き上げ、その差額を得るのです。そのために、場合によっては借入金を活用してまで資金を提供し、経営陣の腕に託し、シナリオどおりに利益を回復させて時価総額が大きくなったところで売却をすることをもくろんでいるわけです。

投資銘柄がMBOを発表したらどうする?

もしあなたが、株式投資をしていて、その上場企業がMBOを発表したらどうしたらよいでしょう?

一般的にはMBOによる買取価格はやや市場よりも高く設定されますが、TOB合戦のように買取価格がつりあがることはあまりありません。というのも、投資ファンドが絡むとはいえ、買い取る側はその企業の経営陣です。本来、経営陣としては第三者に株式を譲る時の買取価格(企業から見たら売却する価格)を高くしたいはずですが、売る側に立つだけでなく、同時に買い取る側ですので、そう高くは設定したくないのが本音です。そのため、プレミアムはそれほど高くないのが、最近の傾向です。

既存の株主としては、買取価格の損得を考えるよりも、MBOの先にある上場廃止の可能性が高いかどうかをMBOされる株式数から判断し、上場廃止の可能性が高そうなら買い取りに応じるか、発表後に市場で買取価格にさや寄せされている時期に売却するのが無難でしょう。 上場廃止となって換金する場を失ったり、株価の算定がわかりにくくなることを考えれば、敢えて縁もゆかりもない人が、上場廃止になるような銘柄を持ち続ける必要はないと思われます。

今後は、2007年5月解禁の三角合併に伴い、買収防衛策としてMBOの件数も増えてくるかと思われます。MBOのしくみを理解し、ご自身の投資銘柄がMBOの対象になった場合に判断をしやすいようにしておきましょう。

【関連サイト】

「TOBの影にちらつく、三角合併とは?」

「社会人の常識!?いまさら聞けない経済用語(13) フジの対抗策、TOBとは?」

「1+1≠2?2007年はマッシュ・アップの時代」

【関連リンク】

「勝ち組や注目企業の戦略・株価・ポリシー」

「合併・統合・廃合・再編・格付け」
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。