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いざなぎ超え、実感が湧かないのはなぜ?

景気の循環が、戦後最長の好景気を迎えようとしています。2006年10月にはいざなぎ景気に並び、11月には更新するとのこと。しかし私たちの生活実感はそれほどではないという声も。いったいどういうことなのでしょう?

執筆者:石原 敬子

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
前回記事、「いざなぎ超えとは?いざなぎ景気って?」では、戦後最長の好景気、いざなぎ景気について解説をしましたが、私たちの生活実感は、戦後最長の好景気というほどではないという声も多く聞かれます。なのにこの騒ぎは、いったいどういうことなのでしょう?

<INDEX>
「いざなぎ超え」は、単に「長さ」だけの話だった!(1P目)
まだまだある、実感が湧かない理由(2P目)
実感が湧かないのに、この景気が長続きするワケ(3P目)

「いざなぎ超え」は、単に「長さ」だけの話だった!

疑問
ちっとも景気が良いなんて感じられない!どこの誰がオイシイ思いをしているんだ?!
まず、押さえておきたいのは、いざなぎ景気を「超える」と言っているのは、経済の規模のことではなく、あくまでも期間の話だということです。景気の循環は、景気動向指数を使ってその局面を判断します。景気動向指数の谷から山を迎え、次の谷までの周期を1つの景気循環とします。今回は、2002年1月の景気の谷からの期間がどこまで続くか、ということで戦後の記録に挑戦中ということです。

さて、この周期の期間が「いざなぎ超え」となっているわけですが、長さではなくどれだけの大きさなのか、景気の規模を経済成長率で見てみることにしましょう。

いざなぎ景気当時の期間における経済成長率を平均すると、なんと11.3%にも上ります。一方で、今回の好景気は、平均2%そこそこの成長です。ちなみに、記憶に新しいバブル期の経済成長率は、平均で5.1%ですから、あのバブル期でさえいざなぎ景気の半分ですし、さらに現在はその半分以下の成長率ということです。

こんなに勢いがないのでは、実感が湧かないというのも当然ですね。しかし、それだけではありません。実感が湧かない理由を挙げると、次々と出てきます。

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