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日本の非常任理事国入りは意義ある?(2ページ目)

国連の安保理において、日本が非常任理事国として10回目の当選を果たしました。当選10回は加盟国の中でも最多ということですが、日本の念願である常任理事国入りは果たしていません。

執筆者:鳥羽 賢

日本はお金をたくさん出しているのに……

<主要国の国連分担金一覧>
主要国の国連分担金一覧
日本は常任理事国ではないが、分担金は2番目に多い。

今回日本は非常任理事国入りを果たしたわけですが、ここで改めて日本が国連に出している資金を振り返ってみましょう。日本が国連から割り当てられている国連分担金は、2008年で全体の16.624 %になります。これはアメリカに次いで2番目に多い割合です。また金額ベースでも約3億米ドル(約280億円)で、2番目の多さです。

常任理事国であるはずの中国やロシアを見ると、中国が約5000万米ドル(約47億円)、ロシアが約2000万米ドル(約19億円)と、日本よりもかなり少なくなっています。イギリスやフランスも日本よりはかなり少ない状態です。

経済力で比較するために各国のGDPを比較すると、日本は確かに世界2位にはいます。しかし3位の中国はすでに日本にかなり近いところまで上昇してきているのに、国連分担金は日本の6分の1です。

国連分担金は、各国の「支払能力」に応じて決められます。日本は1956年の加盟時には1.97%でしたが、その後の経済発展にともなって、引き上げられてきました。しかし90年代以降日本が経済的に低迷していても、分担金を引き下げる交渉には成功していません。

進まない安保理改革

日本が常任理事国入りを実現するための具体案として、現在求められている安保理改革において、常任理事国数を拡大してそこに入り込む方法があります。安保理改革にはいくつか案があり、常任理事国を7カ国にする案や11カ国にする案が考えられています。

しかし、実行段階には至っていません。これは自国の発言力が低くなることを恐れている既存の常任理事国や、新常任理事国に反対する別の国が渋っているためです。日本の常任理事国入りについても、一部の国が反対しています。

このように、お金は世界で2番目に多く出している日本ですが、国連における発言力・影響力はまだ2番目とはいえません。お金を出している限りは、それに値するだけの影響力をつかむことが大事といえるのではないでしょうか?


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