2ページ目 【勝敗を決める27の「一人区」の開票状況を要チェック!】
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【自民・民主が勝敗ラインをこえられるかも注目ポイント、へたしたら首相退陣も?】
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自民党は単独過半数をとって公明党離れができるか
さあ、そして開票後の注目は勝敗ラインです。各党は、どのあたりを勝敗ラインにおいているのでしょうか。接戦が予想されるだけに、勝敗ラインを各党がこえるかどうか、大いに注目しなくてはなりません。まず、こんど選挙される議席の合計は121。よって61議席とれば、選挙された議席の過半数を得ることができます。
しかし、参議院は3年づつ選挙された2グループによって構成されている議院。自民党は前回2001年の参院選で64議席、その後いろいろあって(保守新党の吸収など)66議席に達していますから、今度の選挙で56議席をとれば、今回選挙されない66議席とあわせて、参議院の過半数122議席をとることになります。
これは、実現すれば実に15年ぶり。1989年、消費税反対運動の中、今はなき日本社会党が議席を大幅に伸ばし(マドンナ議員ブームとか、ありましたね)、これ以降、自民党は単独で参議院で過半数の議席を獲得していないのです。
だから、公明党との連立が必要なのです。公明党は現在23議席を保有。この公明党の議席と、自民党の議席116、合計139議席のおかげで、自民党の法案は年金法案の強行採決で見られたように、どんどん通っていくわけですね。
逆にいうと、自民党が56議席とれば、「連立政権は崩さない」と自民幹部はいっていますが、実際には衆参両議院で過半数を持っているわけですから、かなり強気の姿勢に出てくることが予想されます。
そうなると、連立政権の中での公明党の意義が、問われてくることになります。「公明党離れ」が進んでしまうかもしれません。
公明党のおかげで自民党勝利なら連立は持続
もっとも、ここで注目は出口調査です。選挙区で公明党は3候補しか擁立していません。大多数の選挙区で、公明党の支持者は、連立パートナーの自民党か、あるいは対立政党である民主党などに投票するわけです。
自民党が大幅に議席を伸ばしたとしても、得票数自体は民主党と競っていた場合、出口調査の分析で、公明党の支持者がどの党に投票したかが注目ポイントになります。
もし、公明党支持者が圧倒的に自民党に投票していたら、自民党は過半数をとってもあまり強気にはなれないでしょう。公明党の協力のおかげで過半数とれたわけですから。
反対に、公明党支持者の多くが民主党に入れているようなら、自民党が過半数とれば、「公明党いらない」ということになるかもしれません。
自民党の最低ノルマは51議席、40台前半なら首相退陣か
自民党はいちおう謙虚に、改選議席を上回る51議席をとれば、勝利と考えています。51議席に非改選の議席66議席を足して117。これに、公明党が改選議席の10議席のうち7議席くらいとって、非改選議席とあわせて20議席を加えれば、過半数をこえる127議席を自民・公明連立で維持することが可能になります。
自民・公明で過半数を割ることは、公明が20議席確保すると考えて、自民党が35議席しかとれない場合、ということですから、可能性は低そうです。
しかし、自民党が改選議席を下回れば、「国民から信任されなかった」として、責任問題に発展することになるでしょう。
ちなみに、1988年の参院選で44議席しか獲得できなかった橋本首相は即座に退陣しました。43~46議席に終わるようなら、小泉首相も進退を考えなければならないかもしれません。
民主党はごたごたの影響で勢力維持が目標
民主党の勝敗ラインはもちろん自民党より上にいくことです。もし民主党が50議席とるようなら、非改選議員とあわせて82議席。またそうなれば自民党は40議席程度に終わっているでしょうから(そうなれば自民党は合計106議席)、かなりの躍進、ということになります。
そうなれば岡田代表の求心力は強まるでしょう。「衆院選も岡田代表で」という声が強まることには間違いありません。
しかし、党内では39議席が勝敗ラインと考えられています。これは、改選議席を1つ上回った数です。これだけの議席があげられれば、上等、ということです。
岡田代表は、前代表の菅直人氏が年金未納問題で辞任し、代表就任が確実視されていた小沢一郎氏がこれまた年金未加入問題で辞退して、民主党への風あたりが強まったなかあえて要請にこたえて就任した、という経緯があります。
そんな「貧乏くじ」をひいた岡田代表に、代表就任からわずかな期間で躍進を期待、というのはむずかしい。改選議席を守ってくれれば、御の字、といった感じなのでしょう。
もし議席が増えなければ、岡田代表の力不足が表面化し、民主党はますます混迷の度を深めることになるかもしれません。