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カネボウ上場廃止 その基準とは?(2ページ目)

産業再生機構の支援を受け、再スタートを切って約1年。そのカネボウが上場廃止に!カネボウの現状や上場廃止をめぐる東京証券取引所の判断に迫ります。

執筆者:石原 敬子

上場廃止判断、迷った東証

上場を取りやめる(=廃止)を判断するのは、証券取引所です。
東京証券取引所は、カネボウの粉飾決算について、最終的には「虚偽記載を行い、かつ市場への影響が重大」という点が上場廃止基準に該当すると判断しました。
東証
東証も甘い顔を見せられない事情が・・・


証券取引所は、公正な取引が行われなければ機能しません。証券市場に対する信頼や市場の透明・公正性を保つには、上場廃止が適当との結論に至ったのです。

もちろん、支援をしている産業再生機構は、上場廃止されると再建計画に影響が出る、ということで東証に上場を維持するように要請していました。

東証の内部でも、「上場を維持したら?」という意見もありました。すでにカネボウは経営陣を一新して、自ら粉飾決算の事実を公表していたからです。それに、再生というのは、企業をつぶすことではなく、生き返らせることを目的とするからです。

それでも東証の最終判断は、上場廃止の基準になっている「重大な虚偽記載があった場合」に該当するとして、上場廃止の判断をしました。仮にカネボウの株式を上場したままにして処分を甘くすれば、「再生支援を受けて旧経営陣が退陣したことで責任を取れば、上場廃止は逃れられるのだ」と思われてしまいます。それは、モラルハザード(倫理の欠如)を招くことになります。

ところでこのカネボウの上場廃止は、カネボウだけの話題で終わらないようです。
東証が上場廃止を判断する基準について、新たな論議を呼びそうです。そこには、東証自らが上場を控えていること、上場廃止基準が市場の実態に合わなくなったことなどがあり、金融庁が、東証に上場廃止基準の見直しを求めていく動きになりそうです。

次回の記事では、「上場廃止ってどういうこと?」から、この上場廃止基準見直しの議論までをお伝えします。

【関連サイト】
産業再生機構の再生支援とは?
上場廃止が決定!西武鉄道
有価証券報告書って何?

カネボウプレスリリース「当社株式の上場廃止について」

【関連リンク集】
「今注目したい経済問題のニュースとコラム」
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