昨年夏のサブプライム問題表面化以来、アメリカドルが下がり続けています。対円で見てみるとピーク時は1ドル=124円程度まで上がっていたレートが、3月に入ってついに1ドル=101円台まで下がりました。このような急激なドル安は、世界経済にどのように影響するでしょうか?

【CONTENTS】
なぜ下がる?その原因は……(1P目)
進む世界の「ドル離れ」(2P目)
中東諸国のドルペッグ制離れ(2P目)
ドル安の日本への影響は?(3P目)
懸念される産業の空洞化(3P目)

なぜ下がる?その原因は……

書籍『ドルの崩壊と資産の運用』
金融関連企業の起業家ジェームズ・ターク氏と、ウォール街でトレーダー経験を持つジョン・ルビノ氏がドル崩壊について述べた書籍『ドルの崩壊と資産の運用』
影響について話す前に、今回米ドルが急激に下落している原因から確認しておきます。米ドル/円レートがピークにあったのは昨年の6月で、1ドル=124円程度でした。

為替レートを決める要因は非常にたくさんありますが、1つの要因として「強い=経済的に好調な国の通貨は買われて上がる。弱い=経済的に低調な国の通貨は売られて下がる」があります。

今回の米ドル下落は、サブプライム問題の震源地であるアメリカ経済の先行きが昨年夏以来非常に悪化しているのが大きな要因なのです。

それと関連しているもう1つの要因として、アメリカの政策金利が昨年夏以来下げ続け、今後も当面は下がり続ける見通しであることがあります。アメリカの政策金利であるFF金利は、昨年前半は5.25%でした。ところがサブプライムによる金融不安・株価下落に対抗するために、8月の緊急利下げ以来ずっと金利を下げ続け、3月前半の時点ではFF金利はすでに3%になっています。

「金利が下がればその通貨は下がる」というのが、経済の通説です。その常識通りに、ドルは昨年夏以来ずっと下がっています。

→次ページ。現在では、米ドルの機軸通貨としての地位が揺らいでいます。