文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
経営再建中の三菱自動車が、1月28日に、新たな再建計画を発表しました。

三菱重工業、三菱商事、東京三菱銀行の三菱グループ3社による総額2,700億円の「増資」の支援と、日本政策投資銀行など金融機関へ2,400億円の「融資」の要請が、資金面での再建計画です。
「融資」は理解しやすいと思いますが、今回は「増資」について、どんなしくみなのかを見ていきましょう。
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自動車を救え!三菱の決断はいかに?


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「融資」と「増資」の違い(1P目)
お金で会社を応援する(2P目)
時代とともに移り変わる増資のスタイル(2P目)

「融資」と「増資」の違い

「融資」は借金です。例えば、ここで、要請したとおり金融機関から総額2,400億円の資金を借り入れることができたとします。三菱自動車は、借り入れる時に約束したとおりの利子を今後金融機関に支払い、償還期限が来たら借りた資金を返さなければなりません。

「増資」は資本を増やすと書きます。増資で得た資金は「自己資金」です。会社自身のお金になります。
三菱自動車からみたら、三菱重工業、三菱商事、東京三菱銀行にお金を出してもらいますが、出してもらった以上、「返す」という発想のないお金となります。会社は株主の持ち物だからです。株主というのは、その会社に資金を出した人や法人を指します。

この点が分かりにくいので、具体的に説明します。

今回は、三菱自動車を立て直すための資金が必要で、その資金を新しく調達すると、その後の出資比率(見込み)は、以下のようになります。

◎三菱重工業・・・・・・・ 15%
◎三菱商事・・・・・・・・ 14%
◎東京三菱銀行・・・・・・  5%
◎フェニックス・キャピタル 21.2%
◎ダイムラー・クライスラー 20.7%

この出資したお金の証拠として株券を渡します。既に発行されている株券は、以前から出資を受けている分です。今回新しく資金を受けると、その分新たな株券を印刷して、新たな出資者に渡します。

会社は、これら出資した人たちの持ち物なので、その出資したお金を返すという発想がないのです。

ある意味で、三菱自動車という会社は、会社の15%部分は三菱重工の持ち物、14%部分は三菱商事の持ち物、5%部分は東京三菱銀行の持ち物、21.2%部分がフェニックス・キャピタルの持ち物、20.7%部分がダイムラー・クライスラーの持ち物です。
ここまで全部足しても75.9%ですが、上場会社ですから、他にも株主は大勢います。皆さんの中にも、三菱自動車の株を持っている方はいらっしゃいませんか?株主であるあなたは、三菱自動車という会社の一部分のオーナーですよ。

増資の具体的な事例が頭に入ったところで、次のページでは、なぜ増資をするのかについて深く見ていきましょう。