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世界的にも深刻! 世界のうつ事情(3ページ目)

うつ病は日本だけではなく、世界的に深刻な問題となっている病気です。WHOのうつ病に関する調査結果を見ると、うつ病が私たちの思っている以上に世界に広く存在していることがわかります。

執筆者:鳥羽 賢

アメリカでは子供にも拡がるうつ病

アメリカ人というと、「陽気」「明るい」などのイメージがあり、うつ病とは縁がなさそうにも思える人たちですが、実はアメリカでもうつ病はたくさんの人を蝕んでいます。

アメリカでは年間で成人の9.5%、約2000万人がうつ病にかかっていると言われています。そしてアメリカ国内で処方される薬として最も多いのが、抗うつ剤であるというデータがありますので、うつ病の深刻さがうかがえるでしょう。

そして全米保健統計センターの報告では、1994年から2003年までの10年間で、アメリカの子供たちで躁うつ病と診断された数がなんと40倍にも増えたという結果が出ています。1994年には2万人程度であったものが、2003年には80万人にも増えたのです。

また人口10万人あたりに直しても、1994年には25人であったものが、2003年には約1000人に増えています。これは診断の方法が変わったからだという意見もありますが、それにしても驚くべき増加です。アメリカ社会には一体何が起こったのでしょうか?

アメリカでは抗うつ剤の新薬も多く出回っているが……

書籍『抗うつ薬の功罪―SSRI論争と訴訟』
アメリカのSSRIについて詳しく述べられている書籍『抗うつ薬の功罪―SSRI論争と訴訟』
アメリカには、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や、SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といった最新の抗うつ剤も、日本より多くの種類が出回っています。しかしそれでも、うつ病の増加を止めるにはいたっていないのです。実際成人の9.5%という割合は、世界全体の3%よりもはるかに高い数字です。

日本人は「真面目」「責任感が強い」という性格から、うつ病にかかりやすいなどとも言われています。しかしうつ病は決して日本人だけの問題ではなく、世界のどの人種でも深刻な病気であることがわかりました。うつ病について正しい知識を持ち、自分や身近な人がかかったら早期の発見・治療をするようにしたいものです。

参考サイト

WHO(世界保健機構)

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【関連リンク】
「過小評価されがちな“うつ病”の怖さ」(All About メンタルヘルス)
「一見、うつ病に見えない“うつ” 仮面うつ病とは?」(All About メンタルヘルス)
「こじらせないように うつ病は放置しては危険!」(All About メンタルヘルス)
「もしも恋人がうつ病になったら」(All About メンタルヘルス)
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