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【「世界最古」の共和国サンマリノ】
イタリアの中に島のように独立する要塞の国
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サンマリノは南北13km、幅9kmという小国で、イタリアの山中にある世界最古の共和国です。人口は約3万人で、大部分がイタリア系の人びとです。
4世紀ごろキリスト教徒の石切工マリノという人が仲間と共に住み着いたのがその始まりといわれていますが、はっきりとしたことはわかっていません。しかしながら11世紀ごろまでには自治組織をつくりあげ、ティタノ山に要塞を建設、外敵から身を守ってきました。
実際、たびたび占領や大国による軍事介入の憂き目にあっているのですが、そのつど住民がティタノの要塞に立てこもったり、第3国の介入があったりして、独立を維持してきました。イタリア統一の際も、統一の英雄ガリバルディをオーストリアからかくまった功績で、サンマリノの独立は認められ、今日にいたっているのです。
15世紀半ばごろにつくられた大評議会が今でも国会としての役割を果たしています。定数60名というのもこのころから変わっていません。現在は比例代表制で国民から選出された議員によって構成されており、6つの政党が存在します。現在は、キリスト教民主党と社会党が連立与党となっています。
元首は執政とよばれ、2名が大評議会の議員のなかから任期半年で選ばれています。実際の行政は大評議会から選ばれる国家会議(長官3人と大臣7人)が担当します。首相にあたる職は特になく、外交長官が国家会議ではもっとも格上ということです。
軍隊と呼べるものはなく、城塞警備隊、大評議会衛兵憲兵隊、民兵隊などが要所を護衛しているとのこと。もっとも、いざというときには国民皆兵、つまりみんなが武器をとって戦うことになるそうです。
イタリアの中にちょこんとある国なので、公用語はやはりイタリア語、通貨もイタリアのリラが通用します。イタリアから入国する際の入国審査などはないそうです。
主要産業は観光業と切手販売です。サンマリノは世界の切手愛好家向けに多くの切手を作っており、これが重要な外貨獲得手段となっています。